隠キャ、カバディ部に入部します【井浦慶】 (ページ24)

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24:薄情ページ24

井浦「正人。…あれは、どうゆう意味だ」

王城「どうゆうって？」

部活終わり、俺は正人を呼び止めた。

井浦「Aを諦めて、新しいマネージャーを探すって話。本気か？」

王城「本気だよ。夏の大会まで残り少ないし、本人にやる気がないなら仕方ないよ」

井浦「薄情だな。…せっかく苦労して見つけて来たのに」

俺は正人を置いて、1人歩き出す。

王城「慶こそ、薄情なんじゃない？自分に嘘なんかついて」

井浦「ッ、…」

王城「…自分に素直になりなよ。彼女には、本性曝け出せ、とか言っときながら、自分は隠すの？」

正人の言葉がグサグサと胸に刺さる。

黙り込む俺を見かねて、正人は公園に行こう、と言った。

公園に着くと、自販機で適当にジュースを買い、お互いベンチに腰掛ける。

王城「で……いつから好きなの？」

井浦「っぶ、はあ！？」

俺は、飲んでいたスポーツドリンクを吹き出しそうになった。

王城「あははっ…！すごい顔」

井浦「おいッ！」

王城「ごめんごめん。で、いつから？」

井浦「…なんで、決めつけるんだよ」

王城「今の反応を見て、確信したから」

正人はお茶を流し込む。

確かに、俺の反応を見れば、確信するよな…。

王城「だって、気になるじゃん。出会ってまだ、1ヶ月も経ってないんだよ？」

正人はおもちゃを見るような、キラキラした目で俺を見つめてくる。

井浦「気、気になり出したのは…」

俺はその純粋さに負けて、ゆっくり口を開いた。