隠キャ、カバディ部に入部します【井浦慶】 (ページ22)

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22:恋しいページ22

六弦「だから、教えてやってくれないか」

六弦にそう頼まれた時、無性にイライラした。

何故だかは分からない。

でも、怒りが込み上げて来たのだけは覚えている。

そもそも、俺はAの連絡先を知らない。

今考えれば、勝手に仲間意識を持っていたのは俺の方だったのかもしれない…。

あいつの分かっているところなんて、宵越と同じクラスで、俺と家が近くて、1人が好きで、意外と口が悪くて、過去を語りたがらない、そのくらいだ。

あいつは、何が好きで、どんな時にどんな表情し、誰とどんな連絡をしているのか、何一つプライベートは事は分かっていない。

入っていたばかりの畦道も宵越も、ある程度把握できている。

まぁ、あいつらは分かりやすいからな。

王城『慶？聞いてる？』

井浦「ぁ、おう…聞いてるぞ」

王城『じゃあ、よろしくね』

・

　次の日。

放課後、Aの教室に顔を出すと、Aはいなかった。

宵越によると、学校には来ていたらしい。

畦道「にしても、残念だなぁ。A、なかなかおもしれぇ奴だったべ？」

宵越「高谷みたいのがゴロゴロいると思ったんじゃねぇのか」

水澄「た、確かに…高谷みたいのがゴロゴロいると思ったら…少し、嫌だな」

周りはAを恋しそうにしている。

畦道「井浦先輩ー、またA捕まえに行きましょうよー」