隠キャ、カバディ部に入部します【井浦慶】 (ページ21)

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井浦side

王城『え？入部を断られた？』

奏和との練習試合が終わり、家に戻ると、正人に連絡した。

Aが入部を断ったのだ。

詳しい事情を聞く前に、あいつは走って行ってしまった。

王城『残念だなぁ…いい子だったのに』

井浦「これ以上、あいつを追い詰めるのもアレだし…新しいマネージャー探すか？」

俺は机にしまっていた、帰宅部の女子名簿を眺める。

王城『まぁ…マネージャーは、いた方がいいし…。慶も残念だよね』

井浦「？、俺か？俺は別に…」

王城『あんなに気にかけてたのに？』

井浦「！」

正人の言葉に、俺は背筋がゾワっとなった。

井浦「べ、別に気にかけてねぇよ！」

王城『あ、嘘ついてる。六弦に、Aちゃんの事聞かれた時、顔怖かったよ？』

正人の話で、つい数時間前の記憶が蘇る。

・

六弦「井浦か、よろしくな」

六弦に名前を訊ねられ、王城の友人、名乗ると、正人が後ろから名前をバラしたあの時。

六弦「ところで、ウチの高谷がそっちのマネージャーにちょっかいをかけてしまって、すまなかった」

王城「いいんだよ。ウチもつい、乗っかっちゃったしね」

六弦「それで、高谷がそのマネージャーを気に入ってしまってな。ぜひ、LINEでもと」

高谷「ろ、六弦さん！？な、なんて事！！」

高谷が後ろから否定するが、その表情から全てを悟った。

六弦「お前言ってただろ。あんな強く言い返す女、初めてだわ。興味あるって」