隠キャ、カバディ部に入部します【井浦慶】 (ページ2)

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振り返ると、赤メガネをかけた人と、白髪の人がいた。

あ…終わった。

私は、これからどこか知らない所に連れて行かれて、暴行されて死ぬんだ…。

畦道「あ、先輩！宵越も！こんちは！！」

畦道、くんは、2人見つけると嬉しそうに挨拶をする。

すごいな…前世、太陽か。

畦道「あれ、他の先輩は？」

「あぁ、アイツらならもう体育館にいるよ。俺は、宵越を迎えに」

畦道「ハハッ！さては、宵越！また、逃げようとしてたんでねぇか？」

宵越「違げぇよ！！…てか、ソイツ……俺と同じクラスじゃねぇか」

畦道「え゛！？そうなのか！？」

え、そうなの！？

孤独を極めるから、人の顔とかちゃんと見てなかった…。

畦道くんは、芸人のようにリアクションをした。

それより、手を離していただきたい。

「畦道。手、離してやれよ」

畦道「あ、そうだった。すまねぇな」

パッと手が離れる。

あ…釈放？

釈放だ！

私は気持ちが昂った。

宵越「てか、なんで女子なんかに声かけてたんだ？」

「あぁ、それは俺が」

チャンス！

逃げるなら今しかない！

全員が私から目をそらした隙に、畦道くんの横をすり抜けた。

音を立てないよう、スリッパはその場に置いて。

あいにく、私は影も薄い。

靴下な今、私は忍者だ！

隠キャなら、こんな真似はしないって？

ふふんっ、私は違う。

しつこいかもしれないが、孤独を極めると決めた以上、もう人に何と思われようが知ったこっちゃない！

家に帰って、歌いながら勉強をし、お母さんの夕飯を食べ、眠りにつく！

さらばだ！暗殺者た

A「ッ、あ…！」

浮かれすぎたのか、それとも靴下のせいか、私は階段を踏み外した。

目の前は、床。

A「ッ、……」

あれ…痛くない。

私はゆっくり顔を上げると、襟を掴まれた。

まるで、猫を持つかのように。

「はぁい、捕まえたぁ」

A「あ、…」

私を受け止めてくれたのは…さっきいた赤メガネの人だった。