トリップ特典は81話目でした ページ6
場所は変わり、某食事処。
目の前の襤褸い服を纏った少年は、がつがつと効果音でも聞こえてきそうなほど勢い良く、茶漬けを食している。それ単体で。
私はゆうに20枚は超える茶碗を数えていたが、20から数えるのはやめた。
中村「ねぇ治兄、仕事に戻らない?」
太宰「えぇ!未だのんびりしようよ」
国木田「大体、仕事中に「良い川だね」とか云いながら川に飛び込む奴がいるか」
中村「まぁ、それがいるんですけどね、此処に」
じとりと、その人を見つめてみる。
当の本人は、いやぁ照れるねぇとでも言うように、にこにこしながら海藻のように揺れている。
亦国木田さんが怒り出すぞ…。
私は、予測していた舌打ちを聞き、溜息をつき、甘味を頼む事にした。
ストレスには、甘味である。
私が手を挙げて、頼もうとすると、隣から爆発音のような大きい音がした。
頼むから、頼ませてくれよ…。
国木田「これは予定表ではない!!理想だ!!我が人生の道標だ そしてこれには「仕事の相方が自 殺嗜癖」とは書かれていない」
とんとんと、その予定表もとい理想であり、道標を指で叩いた。
道標には既に壁に成り得ている治兄についても、書いておくべきではないかと、やっと頼む事にありつけた善哉を横目に、心の中で愚痴るのだった。
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