☆ ページ12
宮舘「そうだ｡一般人を保護するために造った海上要塞都市に移ってもらう｡費用も場所も国が用意した｡移転するか決めるのは院長だが､ここで働く医者や看護師､入院や通院をしている患者のためを思うなら移転する方がよいぞ」
院長「わかりました｡ご検討します｡どうか､阿部医師の事をよろしくお願いいたします」
院長が頭を下げると涼太はマントをなびかせ部屋を出て行った｡
その頃､ZSOの本部にいる亮平は自分の今後が不安なのかきょろきょろして落ち着かない。
そんな亮平の様子を察した辰哉と翔太は亮平にコーヒーを持って来た。
深澤「コーヒーでも飲んで落ち着きなよ」
阿部「ありがとうございます」
渡辺「ごめんね…なんか無理やり連れて来ちゃって」
阿部「いえ…あの､ここって…」
深澤「ここはZSO組織のSnowManだよ｡俺ら３ヶ月前からゾンビと戦ってるんだ」
阿部「あの…僕も戦わないといけないんですか？」
渡辺「それは大丈夫｡たぶん､医療隊員になるんじゃないかな」
翔太が亮平の質問に答えると見回りに行っていた照と大介が帰って来る。
岩本「見回りから帰った…異常はなかったぞ…あれ？お前､来たんだな」
阿部「…」
佐久間「お前､隊長が話かけてるんだぞ!!」
渡辺「ちょ!!大介!!強引に僕たちが連れて来たから不安になってるんだよ!!」
亮平の胸ぐらをつかむ大介を翔太が引き離そうとしているとドアが開き涼太が入って来た。
宮舘「どうした？騒がしいな」
渡辺「舘様!!大介が暴れちゃって…」
宮舘「そうか…阿部医師､すまなかった…大介は極度の人間不信でな｡私以外に心を開かないのだ」
阿部「いえ…」
宮舘「大介､いきなり阿部医師を連れて来てすまない」
佐久間「いえ…私こそすみません…」
涼太が大介を落ち着かせるとドアの外から声が聞こえる｡
？「宮舘伯爵､入ってよいか？」
宮舘「今､お開けします」
涼太がドアを開けると王族の服を来た青年が護衛を引き連れて入って来た。
青年はこの国の第二王子で現国王の弟で次期国王である健人王子だ。
健人王子「彼が阿部医師だな」
宮舘「はい」
健人王子は四人の護衛たちを入り口付近に待たせ亮平の所にやって来た。
健人王子「お主の事は宮舘伯爵から聞いておる｡この度は大変だったな」
阿部「継王子様…」
健人王子「健人王子と呼んでもかまわぬ」
阿部「わかりました…健人王子様｡なぜ､私をここに連れて来るように宮舘伯爵に命じたのですか？」
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作者名：fuotomi | 作者ホームページ：https://twitter.com/fuotomi2
作成日時：2020年8月16日 0時
