☆ ページ13
健人王子「ゾンビ化ウイルスの謎を研究してウイルスに効く薬やワクチンを開発してほしいのだ」
阿部「しかし､なぜ私を？」
健人王子「お主が学会で発表した論文に感銘してな｡それで櫻井宮廷医からお主が海外の大学病院から声をかけられる程の優秀な医師だと聞いて興味を持ったのだ」
阿部「櫻井医師から…しかし､私の専門は心臓外科ですから微生物学は専門外ですし薬やワクチンの開発には膨大なお金と時間がかかります」
健人王子「それは安心するがいい｡金と専門の研究者は国から用意する｡だから､お主には開発チームのリーダーをお願いしたい｡それにな…我はウイルスの謎をつきとめてウイルスに効く薬やワクチンを開発する事が亡くなった医師や看護師の弔いになると思うのだ」
阿部「わかりました｡健人王子の命令に従います」
健人王子「よかった…宮舘伯爵…至急､微生物学専門の研究者を集めろ」
宮舘「承知しました」
健人王子が護衛とともに部屋を出ると涼太は亮平に指示を出す。
宮舘「そういう事だから明日､家と病院の荷物をまとめてここに来い」
阿部「はい…」
亮平は返事をすると部屋を出て行った｡
次の日､亮平は病院に来て医局にある自分のデスクの荷物を箱に詰めている。
そんな亮平を他の医師たちは釈然としない様子で見ていた。
医師１「なぜ､継王子様は大事な研究を阿部医師に任せるのか理解できないな」
医師２「そうだな…ゾンビ化ウイルスの薬やワクチンを阿部が作れるわけない」
嫉妬とも取れる医師たちの言葉に亮平が唇を噛みしめていると一人の若い医師が亮平のそばにやって来る。
？「阿部先生､私も手伝います」
阿部「本高先生」
亮平に声をかけたのは亮平の後輩医師で内科医の本高だった｡
本高「他の先生が言っている事は気にしないでください」
阿部「ありがとうございます」
本高「それに私もZSOの後方支援部隊の7MEN侍で医療隊員をやるように国からの命令が来て来週には病院を去る事になります」
阿部「本高先生はそれでいいんですか？」
本高「はい｡医療隊員の仕事は不安がありますけど櫻井先生や阿部先生がいない病院で勤務しても私にはメリットがないですから」
阿部「本高先生…」
亮平が本高の言葉を複雑な思いで聞いていると涼太から亮平を手伝うように命令された辰哉と翔太がやって来る。
深澤「手伝いに来たよ」
渡辺「照と大介は家の方の荷物を運んでくれてるよ」
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作者名：fuotomi | 作者ホームページ：https://twitter.com/fuotomi2
作成日時：2020年8月16日 0時
