虚しい時間 ページ38
「あー、お母さん、お父さん、弟よ。私はまた婚期を逃したらしい。てか、彼氏も出来ないのに婚期もクソもないな。ははは」
お風呂から出て寝る前のこの時間が私は嫌いだ。
ネガティブなことしか出てこない。
梅のこと好きかもとか思ったこともあった。
でもいつも頭の片隅のあの考えが邪魔をしてた。
「図星……」
本心は分からないが、好意を持ってくれた梅に対して自分から突き放してしまった数時間前の私。
自分から突き放したくせに虚しくなる。
「まぁ、まだ30だし。」
うん。いいじゃん。やれば出来る私。そうだよ、まだ30なんだから。
「もう、30……」
あー馬鹿馬鹿。なんでそっちにいっちゃうの!
その後どのタイミングで意識が飛んだかは覚えてない。ただ一つだけ確かなのは最悪な気分のまま眠りについたことだ。
「おはようございます…」
若干寝不足気味でスタジオ入りする。
健「おはよう日向」
「おぉ、しゃっちょさん、おはようございます」
健「なんや、眠そうやな。」
「まあ。はい。年頃の女の子は色々考えることがあって。」
健「もう自分30やん。」
「…鈴さんって私の事嫌いですか?」
健「なんでそうなるん?」
もう30なんてこと自分が一番よくわかってるんですよ。しゃっちょさん。
健「まっ、悩んでることあるなら相談してな。うちの嫁さん貸してもええで。高くつくけどな!」
「……ありがとうございます」
この人はほんっと、って思ったけど口には出さないでおこう。
浪「おはようござ…インテンション」
「おはようございます浪川さん。それは新しい挨拶ですか?素敵ですね。」
浪「おい先輩やぞ。」
健「朝からキレがあるな〜」
先輩方とご一緒できるなんて嬉しい限りだ。
嬉しい。嬉しいけど朝からはきつい…
「鈴さん、相談って、プライベートのことでもいいんですか。」
鈴「ええよ?」
既婚者である弊社のしゃっちょさんならこの気持ちの答え、分かるかもしれない。
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作者名:ふわり | 作成日時:2021年2月16日 22時