とある同級生の話 (ページ35)

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本音。ページ35

｢じゃ。おつかれ。｣

話しながら歩いてたらいつの間にかおうちの前に着いてた。

梅｢おつかれ。……ねぇ、｣

私がマンションの中に入っていこうとすると後ろから声がかかる。

｢ん？｣

1度立ち止まって後ろを振り返ると梅は真剣な表情をしていた。

梅｢俺、結構本気だから。本気でAのこと好きだから。｣

｢……ありがとう。嬉しいよ。でもさ、私思ったんだけど｣

夜あそびの日、本番直前に耳元で囁かれた時から何となく、頭の片隅で考えてた。

｢梅が私を好きって言ってるのは、高校の時の罪悪感からなんじゃないかな。って｣

梅の顔を真っ直ぐ見て言う。

梅｢は、｣

梅は少し目を泳がせた。図星だろうか。
それとも私が言ってそうであったことに気づいたのだろうか。

｢お互い30になるし焦るのもわかる、梅に比べたら恋愛経験が少ない私が言うのもなんだけど、1回、冷静になってみよう？｣

これが、私が出した精一杯の答えだった。