とある同級生の話

懐かしい ページ21

貴方｢おはよ。ごめん待ったでしょ｣

｢おはよ。大丈夫。｣

貴方｢……｣

｢お前その顔、何言いたいのか分かりやすすぎるだろ｣

貴方｢いや、だって珍しいじゃん。梅が集合時間前に来るって…なんかあった？｣

ほんと失礼なやつ。俺だって1度や2度くらい集合時間前に来たことあっ……ないわ。いつも集合時間ピッタリかちょっと過ぎてたわ。

｢別になんもねーよ｣

ただ久しぶりに2人で出かけるから昨日からずっと楽しみで今日の朝は珍しく早く起きて色々準備して洗濯物まで終わらせてから家を出てきた。

｢お仕事お疲れ｣

貴方｢うん。あ、今日さ〜安元さんと一緒だったんだけどさ〜｣

隣出歩きながら喋ってるAを見てとてつもなく懐かしさを感じる。

貴方｢聞いてる？｣

｢ん？あーごめん。聞いてなかった｣

貴方｢やっぱ梅なんかあったでしょ｣

｢いや？懐かしいなーって思ってただけ。昔はこうやってよく二人で出かけてたじゃん。｣

貴方｢確かに｣

｢なんで出かけなくなったんだっけ｣

貴方｢あんたに彼女が出来たからでしょうよ｣

｢そうだっけ？別に俺は良かったのに｣

彼女も別に気にしないでしょ。だってAだよ？
気にしないよ

貴方｢分かってないねぇ彼女は不安になるもんだよ？自分の彼氏がほかの女と出かけてるなんて考えただけでやだやだ｣

｢A、彼氏いたことあるの？｣

貴方｢なんで？！｣

｢いや、経験者は語る…的な感じかなって｣

貴方｢悪かったね！経験者じゃなくて。
あ！西山！｣

｢は？｣

貴方｢おーい！西山〜｣

｢ちょ、｣

西｢ん？あ！A〜！と、梅ちゃん！あ、今からデートですか〜？｣

貴方｢違うよ！ただ遊びに行くだけ｣

西｢それをデートっていうんじゃなくて？！｣

貴方｢だから違うって！あ、なんなら西山も一緒に行く？｣

｢は？｣

貴方｢ね？いいよね？｣

西｢いや、せっかくだけど遠慮しておくよ。怖いし。｣

あたりめーだろ。遠慮しろ。

貴方｢？そ、残念。梅がいれば3人でも平気かなーとか思ったのに｣

ふと呟いたAの言葉に少し嬉しくなった。俺単純かよ。

西｢じゃ、楽しんでね〜｣

貴方｢ばいばーい｣

無事西山が引いてくれたおかげで2人で行けることになり、かなり機嫌が良かった。

『あれ？A？』

この声が聞こえるまでは。

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