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プレゼント交換 ページ17

「あ、今好きな人いるんだっけ。いいね、青春だね」

梅「何アホなこと言ってんの。もう30だけど」

「うわー、梅が30になるってことは私もなるじゃん」

梅「そうだね」

私の誕生日は梅の誕生日のちょうど一週間後の15日だ。

「なんか、よくここまで生きてたな〜私」

梅「俺も」

「梅が言うと笑えない」

梅「Aもじゃん。」

「そーなの?」

梅「うん。」

ふーん。まあ確かにあの時は追い込まれてたけど

「誕プレ何がいい?」

高一の時誕生日にクラシックコンサートのチケットを渡された。次の年の梅の誕生日に絵画の美術館のチケットを渡した。なんてことをしてたら恒例と化したプレゼント交換。最初はお互い内緒で買ってサプライズ感覚で渡してたけど最近ではもう聞いてしまった方が手っ取り早いとプレゼント選びがめんどくさい精神の私たちにはもってこいのこの方法。


ちなみに始めたのは梅。


梅「んー、夢の国のチケット」

「おー、ペア?」

梅「うん。一緒に行こ」

「え、やなんだけど。好きな子でも誘って行ってくれば。」

梅「なんでやなの」

「付き合ってない人と遠出ってのがまず無理。」

梅「Aらしい理由だね」

「うん。」

世の中怖いから梅のこと好きな人がまた私を陥れるために酷いことをしてくるかもしれないっていう考えもある。結局自己防衛。

「じゃあ。送ってくれてありがと」

梅「うん。じゃあね。」

「あ、ほい。」

梅「ん?」

「まだ暖かいよ。夕方開けたから。」

手に持ってたカイロを梅に投げてオートロックを解除した。

マンションの中入る前に振り返ると左手デカイロを握りしめて右手で手を振ってきた

「おやすみ〜」

聞こえてるか分からないけどとりあえず手を振り返した。



自分でも不思議だ。
梅は何故か平気。
いや、家にあげたりするのは嫌だけど。

2人でこうやって帰ってきたり、お昼だって、一緒に食べに行った。2人で。


「ただいま〜」

返事が返ってくるはずない部屋の中に挨拶をして明日の準備を進めた。

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作者名:ふわり | 作成日時:2021年2月16日 22時

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