1ヶ月契約

不器用な慰め方 ページ14

梅｢知ってる？ここの道、春になると桜がすごくて、冬になるとイルミネーションが綺麗なの。しかも、ここで夜、空見ると星がめっちゃ綺麗に見えるんだよ｣

｢……そうなんだ｣

今は4月、桜が咲いている。

いい感じにライトアップされてる桜の木はすごく綺麗で

梅｢うん。俺星とかめっちゃ好きなんだよね〜｣

｢私も好き、理科の星の単元とか地学とかめっちゃ得意だった｣

梅｢わかるわぁ｣

｢星食べようも好き｣

梅｢ヒトデも好き｣

｢それはわかんないかな。｣

梅｢なんでだよwそこはノれよww｣

｢あっははwwごめんごめん｣

笑う気になれなかったのに、自然と笑顔が出た。
手は繋がれたまま。梅原くんから伝わる体温は温かくて、梅原くんが少し緊張してるのがわかる。

梅｢あ、ほら、ここからがいちばん綺麗に見えるかな｣

｢ほんとだ…すごい綺麗…｣

桜の木を照らしてるライトは星が見えるように少し遠慮してるように見えた。

梅｢でしょ〜？俺、落ち込んだ時、よくここに来て空見上げるの｣

｢……ありがとう。｣

梅｢ね？元気出たでしょ？｣

こういうところ。
言葉をかけて元気づけようとするんじゃなくて、私から無理やり聞き出してどうにかしようとするんじゃなくて、さりげなくやってくれるところ、ほんとにかっこいいと思う。

私じゃなくて、もっと梅原くんだけをちゃんと見てくれる人にこういうことすればいいのに。
って思う。



梅｢俺の事早く好きになってくれればいいのに｣

星を見てたらそっと抱きしめられた。
耳元で聞こえる梅原くんの心臓の音は通常より少し早い気がして、でも心地よくて、

鍛えられた腕がわたしを優しく包み込んでくれた。

『好きになってくれればいいのに。』

梅原くんを好きになれたら幸せなんだろうな。って思うよ。こんなに大切にしてくれて、でも、




それでも、どんなに傷ついても、私はこうちゃんが好き。









今はまだ、かもしれないけど

ランチ連行→←マウントの取り合い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す