学園アリス (ページ46)

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47話ページ46

「ふぁっ...」

あれからどれだけ時間が経ったか、ベッドの棗はぐっすりと眠っていた。

「(ちょっと気を紛らわせに、陽ちゃんが持ってきたお花、花瓶に入れておこうかな)」

小さな黄色い花束を持って、廊下に出た。

近くの水道まで行き、花瓶に水を入れる。

きっと道端で急いで拾ってきたのだろう。

窓の外からは似たような花がちらほらと見えた。

陽ちゃんのためにも、はやく元気になってもらわなきゃだね、棗。

花瓶に花を挿し、病室に帰ろうとした時だった。

「っ！！」

突然後ろから布のようなもので口を塞がれ、持っていた花瓶を落としてしまった。

「花野Aちゃん、だね」

大人の男の人だ。

棗とは違う、冷たい手。

怖い

咄嗟に私はそう思った。

「君のアリスは素晴らしい。盗作のアリス、だったかな」

なんで、それを..！

おかしい。

視界が白くなっていく。

気づいた頃には遅かった。

この男のアリスは声フェロモンだった。

私はそのまま気を失った。