［HQ］天才の苦悩［男主］

もう1人増えたんだけど ページ8

「なぁ、お前って凄いやつなんだろ」


『え、君...誰？』



自販機前
突然、そんなことを言ってきたオレンジ色の髪の子


中学生って言われても違和感がない小ささ


「俺は日向翔陽、影山が言ってた。全中にも出て、
凄い選手なんだって」


『影山..？』


「ほら、v字の前髪しててこーんな目つきの悪いやつ」


指で目を釣り上げて、彼のモノマネをした日向くん


影山って言うんだ


「バレー部入んねぇの？」


『うん、ちょっとね』


「影山がああいうくらいだから、本当に凄いんだろ？...見たことないけど」


『俺はそんなに凄くない』


じゃあね


そう言って踵をかえしたとき



「バレー、好き？」


そんな声が無意識に身体を止めた


好きかって



勿論、大好きに決まってるだろ



『...嫌いだね』



気持ちとは裏腹の答えが出た


もう、これで関わらなくなるだろ


頼むから


そういう思いを込めて言ったのに



翌日


『...なんでここにいるの』


「話したかったから、後...練習付き合ってほしいな〜なんて」


昼休み、俺の教室へ来るや否や
お願いをしてきた日向くん


「俺、レシーブもトスも下手くそでさ上手くなりたいんだよ！なぁ、頼むっ」


『チームメイト当たれば？』


「影山は睨んでくるし、他の奴らは無視するし
先輩には申し訳ないし...」


俺には申し訳無くないのか...


『ごめん、用事あるから』


少しキツめにいって離れるために図書館へ行った


更に翌日


『.....』


「よ、直希！」


え、俺昨日キツめに断ったよな


『君...凄いね』


「しつこさは誰にも負けない！」


「なぁ、少しだけでいいから」


『....断ったら?』


「いいって言うまで来る」


はぁ、と大きなため息をつく


『少しだけだから』


あまりのしつこさに折れてしまった
多分、他の誰でも折れると思うよ


彼に引っ張られながら中庭に出た

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