歌い手の僕と男性声優【男主】

16話　前野side ページ18

前「っまじか...」


目の前の左画面にはloseの文字


右隣にはガッツポーズをしてるAくん


『やっ、たぁぁあ！ちょ、前野さん何逃げようとしてるんですか』


喜んでる隙に逃げようと思ったけど、
腕を捕まれそれを阻止される


うっわぉ、いつも以上に素敵な笑顔ですこと


『さっき僕をドキドキさせた、仕返しです！録音の準備は出来てますから、ご安心を』


前「うん、逆にやりずらいよ」


というか、やっぱドキドキしてくれてたのか
噂によると、たつ(達央)もキスしようとしてたらしいし
下野さんはちゃっかりデートしてたし


やっぱり先を越されたくなくて
あんなことしちゃったけど


真っ赤になるAくんが凄く可愛いかったな


なんて、さっきの光景を思い出してみたり


『前野さん...？』


Aくんの俺を呼ぶ声で現実に戻る


前「え、あぁ、ごめん...えっと関西弁だっけ」


『良ければ茨城弁も...』


前「ん？何だって？」


『ぁ、いえ、関西弁デス』


はぁ
恥ずかしいけど、俺も声優。
ここで虜にしちゃえるチャンスでもある訳だから


ふぅ、と息を吐いて
Aくんの顎を人差し指で少し上に上げた


前「そない無防備でほいほい俺に着いてきて...あんた喰われたいんか？
男は狼。なめとったら...立たれんくなるくらいまで喰い散らかすぞ？」


あるイベントで言ったようなセリフを
頭の中で探しまくって

最後は耳元で囁く


ポカンと口を開けて、
目をパチパチさせてて

思った反応と違ったけど、とりあえず可愛いから写真を撮る


そうしたら、みるみる顔が紅くなっていって
時間差かよ
と心の中でツッコんだ


『...破壊力ヤバいですね...というか写真消してください』


前「やだ」


『僕も撮りますよ？』


前「マネージャー通してね笑」


『うぐっ、何も言い返せない...』
　


楽しいときって時間が過ぎるのが早く感じる


時計を見れば短い針が既に５時を指していて


そろそろ皆も帰ってくる頃になった


最後に後ろから抱きついて


前「ほら、ポーズして」


ツーショットを撮った


たつに自慢してやろ

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