可愛い僕【黒子のバスケ】【悪男主】

可愛いが30つ ページ31

黄瀬side



突然現れた元友達
髪も白いし、性格も俺の知ってる彼じゃなかった



Aっちにあんなことしておいて
よく戻ってこれたなとか
今度はAっち護るって言い出してなんなのとか



とにかく色んな感情が出てきて



言葉が出なかった



「...あの、り、涼太...本当にごめん、今までのこと...ずっと、ずっと謝りたかった」



2人きりの空間に
震える声が響く



「俺、ずっと涼太のことが好きだったんだよ
初めての気が合う友達で、初めて一緒にいることが苦じゃなく感じた人で、初めての好きな人で...
何としてでも手に入れたかった、その目を向けるのは俺だけにしてほしかった



だから、A..西條に近づいて陥れようとした」



「涼太の大切な人を傷つけて、涼太を裏切ってごめん
謝っても許されないことは分かってる...だけど、謝りたかったんだ」




今まで、聞けなかった本音
今まで、知りたくなかった本音
あの日以来、顔も声も何もかも頭の中から消し去りたいほど
裏切られたことと、大切な人を傷つけられたことで
心の中がぐちゃぐちゃになって



彼を忘れようと努力してた




謝られたって許さないって決めていたのに
いざそういう場面になると心が揺らぎ始める



彼との思い出が頭をよぎって
楽しかった思い出を



逃げちゃダメだ
俺もちゃんと本音、伝えなきゃ



「Aっちにしたこと、俺は絶対許さないっス
友達だと思っていたのに、裏切られて
俺のこと好きだったって知って
また他の女たちと一緒だったんだって絶望して
心ん中ぐちゃぐちゃで、ワケわかんなくて！！
絶対許さねぇって思ってたのにっ、でもっ、隼人っちとの思い出が頭をよぎってっ
」




何泣いてるんだよ、俺
感情的になりすぎて、何いってるかわかんない




「でもっ、俺にとっても大事な友達の1人だったからっ
心のどこかでは、ただの夢だってあり得ない可能性信じて
本当に辛かったっ！！辛かったんスよ俺！！
」



だから



だから、だから、だから




「２度と裏切らないって誓って、そしたらまた友達に戻ろう」



伝えるんだ




俺の本当の想いを______




目を見開いて、信じられないとでも言っているような表情をする彼



「ね、隼人っち？」



お互い涙で顔が濡れて
モデルとは思えない



けど、これで良かった
良かったんだ

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