可愛い僕【黒子のバスケ】【悪男主】

可愛いが29つ ページ30

「今まで迷惑かけてすいませんでした。心を入れ換えて全力でAを護ります」



『ということです、皆よろしくね』



数か月後
すっかり大人しくなった隼人が
キセキの元にやってきて
今までのことを謝罪した



呆然と立ち尽くす皆
そりゃあそうだよね
僕の自演とはいえ、僕の服を破り襲いかかろうとしてた彼が
涼太を好きなあまりにキセキに近づいてきた彼が
今や僕のことが好きで、護るなんて言ってきて



「え...本当に海崎くんなんですか？」



「いやいや、髪の毛白だし〜違うでしょ」



「ふん、だからなんだのだよ。仮に本物だとして黄瀬の次はAだと？」



「お前...調子にのってんじゃねぇぞ」


「それについては本当に申し訳ないと思ってる、涼太にも皆にも、Aにも
許されようとは思ってない」



「A...どういうことか説明してくれるかい？」


征十郎がそう言ったとたん、一気に視線が僕に移る
あの日のことを言っても良かったんだけど
僕の本性はまだ晒されない



『僕にもよくわからないんだ...でも、謝ってきてくれたし、嘘をついてないことは凄く伝わってきたんだ』



「だからって、許すのかよ」



『うん...まだ怖さはちょっとあるけど、ちゃんとした友達になりたいから
それに、もしまた何かあっても皆が側にいてくれるから安心なんだ』



お得意の笑顔を見せれば
ほら、やっぱり皆は(渋々だけど)納得してくれる



「おい、海崎
Aに免じてとりあえずは許してやる
だけどな、次傷つけてみろ
容赦しねぇから」


「うっす、わかってます」



睨みながら隼人を見る修造先輩
威圧感半端ないですっ



後ろで俯いている涼太が視界にはいる
2人の時間も必要だな
そう察した僕は
他の人たちを引き連れて、体育館の中に戻った




複雑な気持ちかもしれない
ごめんね、涼太
本音だけど、言えないのが少しもどかしかったり

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