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「しかしここ、ホントなんなんだろうなあ……いつの時代の街なんだ?聞いたことねーよ。『迷宮』の奥に眠る街なんてよ」
「……ネクロポリス」
「え?」
ふと自分の疑問を口に出したら、思いがけないことにアラジンからぽつりと返答がきた。
「昔、ウーゴ君から聞いたことがあるんだ。『頑丈な部屋』の外には、死者達の街(ネクロポリス)が広がっているって。それってこういうとこなのかなぁ」
アラジンの説明にさらに自分の中で疑問が膨らむ。なんとなくこれからゆっくり話はできないような気がして、素直に聞いてみる。
「なあ、お前がいたっていう『頑丈な部屋』ってなんなんだ?『迷宮』のことなのか?扉だって同じだったっていうし」
「さー、わからないよ。狭いとこだったよ。あと、絶対に外には出られないって、いつもウーゴ君が言ってた」
だいぶふわふわとしたアラジンの返答にふうんと答える。ちなみにあの巨人はちゃんと頭も顔もあって喋れるらしい。そして僕の自慢の友だち、らしい。友だちか、と心の中で独り言つ。
隣で少し距離をあけて歩いてた琥珀も、ともだち、とゆっくり呟いたような気がした。
「なあ、この『迷宮』出たらさ、俺にも紹介してくれよ。ついでにお前のことも色々な!あと琥珀!お前も!」
「うん。いいよ!」
「うん。私も、色々知りたい」
もう塔の扉は目前だった。
この『迷宮攻略』もいよいよ大詰めか。俺がすべてを賭けて求めた『迷宮』のお宝!この目で見届けてやるぜ────!!
アラジンに扉を開けてもらい、期待と緊張が混ざり合ったような気持ちで中に足を踏み入れる。
ついに、ついに!!
「……な、なんだァ?こりゃ……
宝物庫っていうより────『物置き』ってカンジ?」
中はホコリと砂だらけで、見渡しても砂にまみれた置物、というか、どう見ても石と砂でできたものばかりだった。
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作者名:名無しさん | 作成日時:2017年12月30日 21時