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Emergency 1 ページ3

その日、柊Aは落ち込んでいた。


春から配属される警備企画課へ見学へ行った帰りのことである。



「ノンキャリアの、しかも女のくせに調子乗りすぎだろ」


「いいよなー警察庁にコネクションがあるやつは苦労がなくて」


庁舎内の廊下で、聞こえるか聞こえないか分からないくらいの声量で発せられた言葉をAの耳はしっかりと拾っていた。




大きくため息をつき建物の外へ出る。



嫌な日だ、今日は早く家に帰ってココア片手に好きな映画でもみて早めに寝よう、うん、それがいい。


そんなことを思いながら歩く足を少し早めた時だった。





「A」



久しぶりに聞く声に呼び止められ、咄嗟に振り返る。




「降谷さん!」



そこにいたのは、モデル顔負けのスタイルと甘いマスクをもったこの春からAの上司となる男だった。


通りすがる女性たちが必ずと言っていいほど二度見、もしくは三度見をしている。



「久しぶりだな」



数ヶ月ぶりにみる姿も声もやはりカッコいい。



「お久しぶりです!これから警察庁ですか?」



「いや、今日は午前中で仕事は終わりだよ、明日も丸一日オフだ。確か視察の日は今日だったよな?どうだった?これから勤務する警備企画課は」



「みなさん忙しそうだったけど目つきから全部かっこよかった、で、す、、、」



あの聞きたくなかった陰口さえなければ充実した視察だったのだ。
思い出すとまたため息をつきそうになる。



「そうか、その様子だと何かあったんだな。丁度いい、積もる話もあるだろう。この後暇か?夜ご飯を食べに行こう」



相変わらずどこまでもスマートな人だ。

私は頷くほかなかったのである。

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Taniokapi(プロフ) - めっちゃ良かったです!降谷さん好きにはたまりませんね(笑)素敵な小説をありがとうございます! (2021年8月17日 19時) (レス) id: f9db5fc732 (このIDを非表示/違反報告)
未桜(プロフ) - ストーリーがとても好きで一気読みしてしまいましたw折角の面白い小説だと思ったので一つ指摘させてください!12話の絶対零度から氷点下に気温が下がった表現ですが、絶対零度は最低温度の−273度なので逆でないと気温が上がっていると思います…細かくてすみません! (2018年11月16日 22時) (レス) id: 5126538094 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 後日談が好きすぎてニヤケが止まらずスマホ片手にニヤけてるとても変人になってます…← ふみさんの作品大好きです! (2018年9月13日 18時) (レス) id: 229194c5dd (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - こんばんはー、はじめましてまだ途中ですがとっても面白く、ニヤニヤしながら読んでました! (2018年9月11日 21時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 夢主ちゃんの怒り方が可愛い...(昇天) (2018年9月2日 9時) (レス) id: 4e4bc357c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふみ | 作成日時:2018年6月13日 22時

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