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Emergency 2 ページ4

連れてこられたのは表参道のお洒落なイタリアンレストランだった。


カジュアルでお高くとまっている感じがせず、私に気を使わせないよう配慮してくれたのだろう。
この人には本当に頭が上がらない。



落ちこぼれだった私がまさか降谷さんと同じところで仕事ができるようになるだなんて数年前の私は思いもしなかっただろう。


警察学校時代とんでもなく落ちこぼれていた私を見かねて手を差し伸べてくれた降谷さん、松田さん、萩原さん、伊達さん、緑川さんには感謝でいっぱいである。

彼らにしごかれたおかげで卒業する頃には何故か首席になっていたし、ノンキャリアの私が特例で公安部への配属が決まったのも、降谷さんが推薦してくれたおかげだ。



「美味しい!」



「よかった、今日は俺が払うから好きなだけ食べてくれ」


「え!そんな、悪いですよ!自分の分は自分で払います!!」




「いいから、払わせてくれ。俺からの歓迎祝いみたいなものだ、な?」



そう言って微笑まれて押し切れる女性なんてこの世にいるのだろうか。
私に気を使わせないよう理由をつけて元気を出させてくれようとしている彼の優しさに胸がいっぱいになった。



警察学の卒業生の中でも彼はダントツで有名人だったし、ファンもたくさんいた。

だからこそ彼に直々に指導してもらっていた私はとても羨ましがられたのである。
とは言ってもあの頃は私も必死だったし、何より指導している時の彼はそれはもう鬼そのもので恐怖心から私の実力が伸びたというのも否めない事実である。



降谷さんに対しての恋愛感情はないのかと聞かれたことも何度かあったが、私なんかが恋愛感情を持っていい人ではない。

恋愛感情うんぬんより、何より私が一番と言っていいほど尊敬している人だ。
そんなこと考えるなんて失礼である。





普段からかっこよくエスコートしてくれて、超が何個あっても足りないほどハンサムで、頭も良くて、優しくて、こんな素敵なお店を知っていて、さりげなく連れてきてくれる彼の彼女になる人が羨ましいなと、少し思ってしまった。

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Taniokapi(プロフ) - めっちゃ良かったです!降谷さん好きにはたまりませんね(笑)素敵な小説をありがとうございます! (2021年8月17日 19時) (レス) id: f9db5fc732 (このIDを非表示/違反報告)
未桜(プロフ) - ストーリーがとても好きで一気読みしてしまいましたw折角の面白い小説だと思ったので一つ指摘させてください!12話の絶対零度から氷点下に気温が下がった表現ですが、絶対零度は最低温度の−273度なので逆でないと気温が上がっていると思います…細かくてすみません! (2018年11月16日 22時) (レス) id: 5126538094 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 後日談が好きすぎてニヤケが止まらずスマホ片手にニヤけてるとても変人になってます…← ふみさんの作品大好きです! (2018年9月13日 18時) (レス) id: 229194c5dd (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - こんばんはー、はじめましてまだ途中ですがとっても面白く、ニヤニヤしながら読んでました! (2018年9月11日 21時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 夢主ちゃんの怒り方が可愛い...(昇天) (2018年9月2日 9時) (レス) id: 4e4bc357c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふみ | 作成日時:2018年6月13日 22時

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