上司と朝チュンとか流石に笑えない 【降谷零】

Emergency 15 ページ17

「確認しようか」


「確認？」


「ああ。レストランでワインを注文させて酔わせたのは俺だよね？」


「はい」


「そのあとバーへ連れて行ってウイスキーで前後不覚になるまで酔わせてホテルへ連れ込んだのも？」


「降谷さんです、、」


美味しいから、と言われて白ワインを飲んだ。
降谷さんのオススメで初心者でも飲みやすいからとウイスキーを飲んだ。
そして、少し休憩しようと言われてホテルへ行った。
全て降谷の提案だった。


「なんでだと思う？」


ゆっくりと問い詰められているようで、Aは分からない、と首を横に振り降谷を不安げに見つめた。




「俺は、Aが好きだから」


「え」


おれ、は、A、が、すきだから。

すき、だから？

すき？

まるで初めて知った言葉かのようにその言葉はAの脳内に残り続けた。


「なんで気づかないかな。どう考えても好きな子を手篭めにしようとする男の邪な心なのに」


「てごめ、、、よこしまなこころ、、、」、


「そう。成人したばかりの君を酔わせてそのまま抱いてやろうって思ってた。悪い大人だろ？」


つまり、降谷は私のことが好きで、そのつもりで誘っていたということなのか。
ようやく理解が追いついてAは自分の顔に熱が集中するのが分かった。


「う、うそだ」


「なぜそう思う？確かに俺は今まで嘘ばかりついてきていたけど、この気持ちに嘘がつけるほど落ちぶれているつもりはないよ」


そういって心から愛おしいものを見る蕩けた眼差しで優しく頰を撫でてくる降谷にAは「う」と言葉に詰まる。


「ふ、ふるやさん」


「昨日は名前で呼んでくれていたじゃないか。零さん零さんって、必死に俺にしがみついて潤んだ目で俺を見上げてきて、」




“ふるやさん、だめです、私たち、酔ってます”

“大丈夫、俺は酔ってないよ。だから、今は零って呼んで？”

”れい、さん“

“よくできました”




「ぎゃああああ！！」


一瞬にして蘇ってきた昨晩の記憶に脳が沸騰しそうになる。


続きを遮るよう降谷の口を塞ぎそのまま押し倒すようにしてソファに倒れこむ。

口を塞がれてもなおもごもごと言葉を続けようとする降谷をキッと睨んでAは言葉を続ける。




「なんてこと言うんですか！セクハラです！ヘンタイ！！警察官のくせに！！！」



その言葉に降谷はフッと笑うとそのままAの腰を掴みぐるりと立場を入れ替える。



「えっ」

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