Emergency 16 ページ18
「俺がヘンタイだって?まあ確かにそうかもな」
「あ、あの、降谷さん、」
この状況は普通にまずくないか?
降谷さんに上から見下ろされているこの姿勢に本能的な焦りが生まれる。
「俺も少し飲みすぎてしまった。君を抱くと決めてから余裕がなかったんだ。朝本当は君より先に起きているつもりだったのに、目がさめると君はいないし、意味のわからない手紙はあるし、、、」
正直参ったよ、と困った顔で笑う降谷に嘘はついていないということが分かる。
そんな捨てられた子犬のような顔をされて、なんだかこっちが悪いことをした気持ちになってしまう。
まあ、勝手に逃げたし、悪いのは私か。
無意識に降谷の頰に手を添える。
降谷はその手を強く握り返した。
「、、、好きだ。付き合ってほしい」
沢山の人に慕われ、想われているてあろうこの美しい男がこんなにも熱く真剣な眼差しを他の誰でもない自分に向けていることを知り、じわじわと全身が熱くなっていき、胸が高鳴るのを感じた。
よかった、嫌がられていなかった。拒絶されなくてよかった。
どこか張り詰めていた心が一気に解放されたような気がした。
「朝起きて、何があったのか訳がわからなくてひたすらパニックで、でも、降谷さんとそういうことになったって、嫌じゃなかった、、、」
「それは、、」
「そう、それは、私があなたを好きだから、、!」
幸せのあまり目の奥が熱くなっていき、気がつくと涙がこぼれていた。
次の瞬間降谷にきつく抱きしめられた。
ありがとう、そう肩口で言う降谷の言葉にさらに胸が熱くなった。
身体を離され額と額をくっつけられる。
「俺と、付き合ってくれますか?」
「はい」
満面の笑みで返せば今までに見たことのないくらい緩んだ降谷さんと目が合う。
「絶対大切にする」
そう言って唇に触れるだけのキスをされる。
髪に触れるその仕草でさえもドキッとしてしまって、こんな紳士的な人が私の恋人になったのだと、胸がいっぱいになった。
「、、、ん?」
何やら降谷の手が腰回りで不穏な動きをしていることに気がつく。
「あの、降谷さん?」
「零」
「零さん」
「なんだい?」
「この手はなんでしょう」
「まあ晴れて俺たちも恋人になったことだし」
前言撤回。紳士なんかじゃなくてただの狼だった。
人の家で第2ラウンドをおっぱじめるなと新一が怒鳴り込むまであと、3.2.1______
『上司と朝チュンとか流石に笑えない』
END
2039人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Taniokapi(プロフ) - めっちゃ良かったです!降谷さん好きにはたまりませんね(笑)素敵な小説をありがとうございます! (2021年8月17日 19時) (レス) id: f9db5fc732 (このIDを非表示/違反報告)
未桜(プロフ) - ストーリーがとても好きで一気読みしてしまいましたw折角の面白い小説だと思ったので一つ指摘させてください!12話の絶対零度から氷点下に気温が下がった表現ですが、絶対零度は最低温度の−273度なので逆でないと気温が上がっていると思います…細かくてすみません! (2018年11月16日 22時) (レス) id: 5126538094 (このIDを非表示/違反報告)
響(プロフ) - 後日談が好きすぎてニヤケが止まらずスマホ片手にニヤけてるとても変人になってます…← ふみさんの作品大好きです! (2018年9月13日 18時) (レス) id: 229194c5dd (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - こんばんはー、はじめましてまだ途中ですがとっても面白く、ニヤニヤしながら読んでました! (2018年9月11日 21時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 夢主ちゃんの怒り方が可愛い...(昇天) (2018年9月2日 9時) (レス) id: 4e4bc357c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ふみ | 作成日時:2018年6月13日 22時