崖っぷち家政婦です。5

どうして。2 ページ9

唇がぶつかっては離れ

合間の呼吸音が、はあはあと響いては再び唇が塞がれる。


それがあまりに激しくて、私はジミンさんの唇を噛んでしまった。



JM『…痛いなあ。』


『本当にどうしちゃったの。お願いやめてよ。』


JM『本当の事言うまで、やめてあげない。』



ギリッと更に強く両手を絞められる。

彼の手は小さいのに、力は強いからどうにも振りほどけない。



『本当だよ、スンヒョンさんが日本にいるなんて知らなかった！』


JM『今あいつの名前呼ばないでよ！』


私の両手をジミンさんが片手で束ねると、彼の空いてる手が私の服を捲り上げた。



『ちょっと！』


JM『ヌナ下着つけてないね。』


ジミンさんがそっと撫でる。


『やめて、ほんとにっ』


怖くなって涙がこみ上げた。

ジミンさんが私のお腹にキスをしながら少しずつ上の方に上がって来る。


『あっ、』


くすぐったさと恐怖で訳がわからない。


『ジミンさんお願い、こんなの嫌だよ。怖いよ…』


私は泣きながら、お願い お願いと同じ事を何度も言った。


JM『……。』


ピタリと動きを止めたジミンさんが顔を上げる。



JM『…ごめん』



ジミンさんが涙を流している。

締め上げられていた両手が自由になって、捲し上げられた私の服をジミンさんが直す。


JM『嫌なんだ、俺以外と仲良くされるのも触れられるのも。』


ジミンさんが両手で自分の顔を覆う。


JM『これが俺だよ。ヌナに警戒して欲しいとか意識を高めろとか、全部俺の為に言ってるんだ。』


私の上から退いてベッドに腰掛け項垂れるジミンさん。


私は震えながら泣く彼の背中に、そっと手を置いた。


JM『どうしよう…』


次の瞬間、私の視界にジミンさんしか見えなくなり押し倒された事に気がつく。


JM『俺ってすごく嫉妬深いみたい。』


ジミンさんの涙が私の頬にポタポタと落ちてくる。



JM『どうしてあいつと仲良くするの。』



JM『どうして俺達全員同じ人を好きになっちゃったんだろう。』


ジミンさんがギュッと私を抱きしめる。





JM『どうしてヌナは俺を選んでくれないの。』





『…ごめんね。こんなに傷つけてしまうのなら、いっそのこと皆と離れた方が…』


私は彼の涙を拭い、ギュッと抱きしめ返した。



JM『やだよ、やだ。どこにも行かないでよ…！』


ジミンさんが私をきつく抱きしめながら泣きじゃくる。

私はどうする事もできずに、ごめんねと謝りながら彼の背中を撫で続けた。

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