崖っぷち家政婦です。5

NJ & JH 2 ページ12

ナムジュンさんホソクさんと車に乗り込む。



あっ、そうだ！大阪の滞在日数聞かなきゃ。

ナムジュンさんは持参した小説に集中してるので、スマホをいじってるホソクさんの肩をつつく。


JH『？』


『大阪にはいつまでいるんですか？』


JH『んーとね、公演があるからあと4日はいるよー。明日からリハーサル！』


『そうなんですね。ありがとうございます。』


私はスマホを取り出す。



JH『なんでいきなりそんな事聞いたのー？』


ホソクさんがニコニコしながら言う。

全然悪意なく聞いてるんだけど何故だか背筋がゾクッとした。



『え。あ、母が気にしてて』


お別れの日に犬の散歩に行くような鬼母が気にするわけない。


JH『ふーん…。そうなんだ！』


ホソクさんは納得したようにまたスマホをいじる。



た、助かった。

これがナムジュンさんだったら確実にバレていた。

ややこしい展開を避ける為には気をつけなければ。


やがて車はナムジュンさんが言っていたサンドイッチのお店の前に止まる。


MG『着いたぞ〜。隣はホソクリクエストのカフェがあるからまとめて買ってこいよ。』


………
……
…


『私には選べない…！』


キラキラと色とりどりのサンドイッチが私を食べて！と主張している。

白い子、黒い子、包まれてる子、色んな種類のサンドイッチ達。

この中からどうして１つだけを選べると言うのか。



NJ『ヌナ、それぐらい俺達に真剣になったことありますか？』


ナムジュンさんが呆れた顔を私に向ける。


JH『なんで１つ？気にしないで好きなだけ選びなよ〜俺達がごちそうするよ！』


NJ『そうですよ。余ったら弟達に持って帰ればいいんだから、沢山選んでくださいね。』


ほんとにいいの！？


そう、基本的にこの2人はとても優しく私に甘いのだ。

時にちょっと鬱陶しいけど。


私は気になるサンドイッチを片っ端からトングで掴んでトレーに乗せる。

いっぱいになったらナムジュンさんが新しいトレーをくれて、ホソクさんも同じように新しいトレーを持って待機している。


『2人は選ばないの？』


JH『いいのいいの。ヌナが好きなの選んで！』


NJ『全部２つ入りだから半分こしましょう。そしたら色んな種類の味見できるでしょ？』


『２人とも大好きだよ！』


NJ『嬉しいけど、こんな事で聞きたくなかった。』


JH『買収したみたいで何か素直に喜べないよな。』



2人は微妙な表情を浮かべて首を傾げている。

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