3年A組---人質って...先生どうして---5

〇 ページ28

廊下から足音が聞こえる


この足音___だな




唯月「チッ

1人になれる場所もねえのかよ」



当たった、やっぱり唯月だった



でも唯月は私と目は合わせようとしなかった



私の姿を目に写った時泣きそうな顔をしたのは見逃さなかった



そして唯月は乱暴にスクバを机の上に放り投げた


そのスクバには私と唯月が初めて一緒に買い物した時にお揃いで買ったモチーフキーホルダーが付いてた

私のスクバにも今も付いてる

三日月の中に白いパールが1つ垂れてて三日月とは別でセットで選べる桜や星、クローバーなどがセットでついてくるそれらは自分達で選んだ

私はクローバーでクローバーの色がオレンジ
唯月は星で星の色がピンク

それが唯月との初めてのお揃い


『唯月』

唯月「ぶっきー、長くないらしいよ」

『あっ...』



唯月...それ言わないでよ




さくら「えっ？」

唯月「病気だって

もうすぐ死ぬみたい」

さくら「うそ...」

『嘘じゃないよ...先生本人が蓮達にそう話したんだから』


こんな言葉を言ってる自分の胸が締め付けられる


私は...先生の事が好きなのかな


それとも好きだけど先生としてでもなく、異性としての好きとはまた違う好きなのかな



唯月「馬鹿だよね

病院で大人しくしてたらもう少し長生きできたのに」



確かにそうだよね...



病院に居れば...長生きできるのに



不治の病...決して治らない



残酷な病気...




唯月「澪奈の死の真相を暴くとか言ってるけど、やってる事犯罪じゃん

犯罪者が偉そうに」

『そうかもしれないけど...先生がこんな事をしなかったらきっと私は救われなかった』

さくら「私は救われたよ、先生に...

澪奈があんな事になって...私は生きた心地がしなくて

ずっと時が止まったままだった

もし先生が澪奈の事に触れてくれなかったら、一生引きずってたと思う

ずっと澪奈に対して...」

唯月「澪奈、澪奈、澪奈！」



急に澪奈の名前を連発しだした唯月



『どうしたの...？』

唯月「何でみんなあいつにこだわるの？

私はあの女が嫌いだった」

『うん、知ってる』

唯月「やりたい事に真っ直ぐで...ブレずに生きてて...目障りだった」

『唯月もブレてないと思うよ？』

さくら「私もそう思う

諏訪さんもブレてないように見えるけど

世界のファッションショーに出るようなモデルになるって」

〇→←〇

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す