赤提灯とグラサンと�� ページ36
今夜は神楽は新八の家に泊まりに行っていて、万事屋には俺1人。いつもうるさい奴等で賑わっている家だからか、こういう夜は酷く静かに感じる。別に寂しい、ってわけじゃねぇんだけど。
「しゃーねェ、飲みにでも行くか。」
なんとなく大きく独り言を呟いて、俺は家を出た。
とは言ってもキャバクラに行けるほど懐が暖かいわけでもない。ババァの所で飲むのもいいが、顔を合わせりゃまた家賃の事を煩く言われそうだし。
どーすっかな、とプラプラ歩いていると、赤提灯を下げた屋台が目に入った。よく見ると見覚えのあるグラサンのおっさんもいる。
「長谷川さんがいるぐれぇなら高い店じゃないだろ…。」
俺はそう思い、その屋台で飲むことに決めた。
「邪魔するぜ。」
「おっ、銀さんじゃねーか！ここ安くて美味いぜ！」
「無職のおっさんが飲めるぐらいの店なら、俺も余裕かなと思って。」
「ひっでーな！今日はこのねーちゃんが奢ってくれるっつーから大丈夫なんだよ！」
「それもっとタチが悪いだろ…ってアレ？」
長谷川さんを挟んだ隣の女に目をやる。
どこか虚ろな、遠くを見ているかのような表情で酒を煽るそいつはAだった。
「Aじゃねーか。珍しいなお前が1人でこんなとこで飲むなんてよ。」
『…今日はそういう気分だったので。』
「なに、知り合いなの銀さん？俺は今日初めて会ったんだけどさ、このねーちゃんがよぉ、ここの会計持つからどうして奥さんと結婚したのか教えてくれ、って言うから話してたんだよ。」
「お前相手を選べよ。長谷川さんは無職だしバツイチだしマダオだぞ。」
「俺の扱いひどくない！？」
Aはふぅ、と１つ小さく溜息を吐くと、店主に酒をもう一杯頼んだ。
「大体なんでそんな話が聞きたいんだよ。ゴリラにプロポーズでもされたか？」
『…。』
「えマジで？」
Aは表情を変えずに酒を飲み続けているが、その顔は耳まで真っ赤だった。
「あーあ、遂にAも結婚かぁ。」
『…まだ結婚すると決めたわけじゃないです。』
「は？なんで？」
Aは俺の問いには答えず、酒を煽り続ける。
「あー分かるよ、マリッジブルーってやつだよなぁ！俺もそうだったもん！」
「本当に分かってんの？長谷川さん。」
「分かるっつーの！結婚っつーのはさ、恋愛の延長にあるように見えて全くの別モンなわけよ。」
大将、もう一杯ね！と遠慮なく酒を追加して、マダオは語りはじめた。
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まつ - 近藤さんの優しさや芯のある強さを繊細に描いてくださりありがとうございます！月花さんの性格や言動も、誇り高く賢さを感じてとても好感が持てました！ (4月24日 13時) (
レス) @page46 id: 9000a0584e (このIDを非表示/違反報告)
岡Ｐ(プロフ) - 素敵なお話しですね。優しく、愛情深い近藤さんの魅力が溢れ、胸ときめきながら読ませて頂きました。これからも素敵なお話し楽しみにしています。頑張って下さいね。 (2021年1月22日 4時) (携帯から) (レス) id: 8256504f4a (このIDを非表示/違反報告)
こたつむり(プロフ) - 心咲さん» やる気が出るコメント、ありがとうございます！続編はかなり遅くなるとは思いますが、必ず完成させますのでどうかお待ちくださいm(_ _)m (2018年12月6日 8時) (レス) id: 88093f805b (このIDを非表示/違反報告)
心咲 - とにかく最高!素晴らしい作品です(^^)本家の本になってくれたらと思うほどの作品です♪近藤さんファンにはたまらないです！続き楽しみにしてます♪ (2018年12月3日 10時) (レス) id: efaa18aec6 (このIDを非表示/違反報告)
こたつむり(プロフ) - ななしさん» 正しくは"力不足"でした…。ご指摘、ありがとうございます！ (2018年11月27日 23時) (レス) id: 88093f805b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたつむり | 作成日時：2018年9月25日 0時
