近藤 勲の恋人は局中医 弐【銀魂】

とりあえず副長室に集合 ページ31

「で、また俺の部屋に来るわけね…。」

もう追い出す気力もねぇ。近藤さんと一緒に総悟も当たり前のような顔でいやがるし。本当なんで毎回毎回俺の部屋に集合なんだよ…。

「今度はなんだよ？」
「いやー心配なんだって！Aちゃんに悪い虫が付かないかってさぁ。」
「アイツなら自力で虫を捻り潰せまさァ。」
「虫を虫と認識してないとこが問題なの！」

近藤さんの話を纏めると、月花に言い寄る男どもをどうにか減らしたいということらしい。贅沢な悩みだこって。

「虫除けねェ…。」

煙草に火をつけ燻らせる。
屯所内では月花は近藤さんの女だというのは周知されてるから、手を出す命知らずはまずいないが、屯所の外までは流石に影響力はない。
"真選組局長の女です"なんて張り紙を背中に貼っときゃ一発だろうが、まずそんなのは無理だろう。

「首輪と鎖でも付けときゃいいんじゃないですかィ？」
「そんなアブノーマルなのはダメ！いやそれはそれでアリかも知れないけど、俺以外の男に見せるのはナシ！」

全くこいつらは…。
くだらねェ話をしている2人をよそに、俺は月花から上がってきた今年の健康診断の報告書に目を通す。
問題のある隊士は…今年も特にいないようだな。ちっ、俺の所に赤ペンで"マヨネーズと煙草控えるべし"なんて書きやがって、ぜってー控えねェぞ。最後は、月花の分だな。流石医者だけあって、健康管理は完璧だな。
…ん？
報告書には各人の個人情報が載っている。身長、体重、そして生年月日。

「近藤さん、そろそろ月花の誕生日だろ？」
「え？ああ、来月半ばだろ。去年は誕生日過ぎた後に知ったから、今年はその分も気合いれねェとな！」

流石に誕生日は把握してたか。まぁ意外とマメだからな、この人も。

「良い機会だ。しっかり"虫除け"でも贈ってやれよ。」
「え、トシ、どういうこと！？俺は誕生日に何を贈ってあげればいいの！？」
「それぐらい、自分で考えろ。」

ねぇ！とすがる近藤さんをかわし、俺は部屋を出る。ここは喧しいからな、どっか静かな所でゆっくり一服するとしよう。
張り紙なんかより、自然で、見た目一発で分かる"虫除け"には１つ思い浮かぶ物がある。だが、それは近藤さんが自分で考え付くべきものだろう。多分、分かるだろうし。

「少し早い気もするが、近藤さんもいよいよかね。」

自分の部屋から聞こえる喧騒を背に、俺は呟いた。

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