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飛び出した ページ18

俺の気のせいだろうか。
最近、Aちゃんに避けられてるような…。
いやっでもでも!今だってこうして道場で一緒に稽古しているわけだし!?
気のせいだよ、気のせい。うん…。

そんなことを考えながら、素振りをするAちゃんを見つめる。
彼女はとても集中しているようで、俺のことなんか視界にも入っていないようだった。
と、俺はAちゃんの素振りのある点に気がつく。
少し肘が開き気味だ。

「Aちゃん、肘が開いてきてるよ。」
『えっ、あ。すみません。』

Aちゃんはそう言って、素振りを改める。
が、今度はなんだか力が入り過ぎているようで、動きが硬い。

「肩の力抜いて。」
『はい。』

すると今度は別の箇所がおかしくなる。
今日は調子が悪いのかな。

俺はAちゃんの後ろに行き、彼女の手と肘を支え、一緒に振りかぶった。

「振りかぶった時、肘はこうね。で、肩の力は抜く。振り下ろした時は、左手を絞るようにして…。」

そう説明していると、カラン、と木刀が彼女の手から滑り落ちた。
同時に、先日彼女が疲労から木刀を落とした時のことを思い出した。

「ごめん、また無理させちまったかな。今日はこれぐらいで…。」

木刀を拾い上げてAちゃんを見ると、Aちゃんは真っ赤な顔で声にならない声を上げるように、パクパクと口を動かしていた。

「Aちゃん…?」
『い…い…』
「い?」
『いやらしいですっ!!』

Aちゃんはそう言うと、バタバタと道場を飛び出していってしまった。

「え…。」

ポツン、と1人取り残された俺の声が道場に響く。

「えぇぇええ!?ちょっ、待っ、Aちゃんンン!!」

俺も慌てて彼女を追って、道場を飛び出した。

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まつ - 近藤さんの優しさや芯のある強さを繊細に描いてくださりありがとうございます!月花さんの性格や言動も、誇り高く賢さを感じてとても好感が持てました! (4月24日 13時) (レス) @page46 id: 9000a0584e (このIDを非表示/違反報告)
岡P(プロフ) - 素敵なお話しですね。優しく、愛情深い近藤さんの魅力が溢れ、胸ときめきながら読ませて頂きました。これからも素敵なお話し楽しみにしています。頑張って下さいね。 (2021年1月22日 4時) (携帯から) (レス) id: 8256504f4a (このIDを非表示/違反報告)
こたつむり(プロフ) - 心咲さん» やる気が出るコメント、ありがとうございます!続編はかなり遅くなるとは思いますが、必ず完成させますのでどうかお待ちくださいm(_ _)m (2018年12月6日 8時) (レス) id: 88093f805b (このIDを非表示/違反報告)
心咲 - とにかく最高!素晴らしい作品です(^^)本家の本になってくれたらと思うほどの作品です♪近藤さんファンにはたまらないです!続き楽しみにしてます♪ (2018年12月3日 10時) (レス) id: efaa18aec6 (このIDを非表示/違反報告)
こたつむり(プロフ) - ななしさん» 正しくは"力不足"でした…。ご指摘、ありがとうございます! (2018年11月27日 23時) (レス) id: 88093f805b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こたつむり | 作成日時:2018年9月25日 0時

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