trente-et-un cafe ページ32
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チケットを渡してからというもの、俺の集中力とやる気はうなぎのぼりだった。
この舞台に乗り気じゃなかったわけではないし、決して手を抜こうと思っていたわけでもない。
ただ、もう一度彼女に会えて。
確実なわけではないが、彼女が俺の出る舞台を見に来てくれるのだ。
嬉しくて嬉しくて、楽しみで待ち遠しかった。
そんな気持ちを心の中で踊らせながら、毎日の練習を全力でこなしていた。
それは端から見ていても分かるようで。
マネージャーも監督も共演者の方々も、なんだか不思議そうに俺を見る。
ましてやマネージャーなんて、理由がわかっているからかずっと嬉しそうにニヤニヤしていた。
彼女が来てくれた時も、本当は公開初日からそわそわしていて、カーテンコールでは見える限りの席を探していた。
だから、会えた時は本当に嬉しくて、舞台終わり、彼女の元へと行ってしまった。
いや、やっぱりあれはやりすぎだったよな…。
あの時はああやって笑ってくれてたけど、本当は鬱陶しく思ったかも。
しかもLINEまで聞いちゃったしなぁ。
俺はよろしくお願いします。だけが交わされたトーク画面を見て、一つため息をついた。
「またその画面見てる。どれだけ見たってトークは増えないよ？」
背後から声をかけた人物は、俺が座っている椅子の横へと腰掛け、俺の前に紙コップを置いた。
「それぐらい分かってるって。ありがとう」
俺はマネージャーにそう言って、一口お茶を飲んだ。
マネージャーも俺を見ながらお茶を飲む。
「いくらウジウジ悩んだって、限界があるんだから」
マネージャーは諭すように言った。
今日は舞台の最終日。
彼女はあれから一度も姿を見せず、今日まで来たのだ。
俺はべたんと机にうつ伏せに倒れこんだ。
「…分かってるよ」
俺はまるで言い聞かせるように、そう呟く。
「これまでのどの日かに後ろの席で見てくれてたかもしれないのは分かってる」
「うん」
「でも…わがままだけど、一目でもいいから見たかった…」
そんな身勝手なわがままを口にしたら、自分の女々しさに顔に熱が集まるのがわかった。
マネージャーはそんな俺の姿に微笑んで、ぽんと肩を叩いた。
「今日は来てくれるよ。惚れてもらえるように頑張るんだろ？」
「うん」
俺はそう返事をして、立ち上がる。
そして、一度深呼吸をしてにっこりと笑った。
「頑張ってくる！」
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mifulu(プロフ) - ほわさん» ご指摘ありがとうございます！ バーコードって変ですね笑 これからもよろしくお願いします。 (2019年9月10日 9時) (
レス) id: 8875a6e61c (このIDを非表示/違反報告)
ほわ(プロフ) - 誤字とかじゃないんですけど、最新話のバーコードはQRコードにした方が良いと思いますよ！続き楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2019年9月10日 0時) (レス) id: d0efce02c1 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 白うさぎさん» ありがとうございます！ ゆっくりになるとは思いますが、楽しんでもらえるよう頑張ります。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 477f578196 (このIDを非表示/違反報告)
白うさぎ - とても面白くて、毎日楽しみにしています！更新頑張って下さい(*^^) (2019年7月21日 17時) (レス) id: 33733f1464 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 華恋さん» 初めまして(*^^*) ありがとうございます！ テストが近いのでゆっくりになるとは思いますが、期待に応えられるように頑張ります！ (2019年6月30日 10時) (レス) id: 80a048a51f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mifulu | 作成日時：2019年6月10日 0時
