そのじゅうよん ページ14
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一日目の練習が終わり、疲れたなぁなんて思いながら、トイレから第一体育館へと向かう帰り道。
お腹も空いたし、晩ご飯食べに行こうかな。
仁花ちゃんは…影山と日向の練習手伝うって言ってたから、ちょっと待たないとか。
なんて考えながら、歩いていれば、もう日の暮れた中で煌々と光がもれているのに気づいて、何となくその場所へと足を進めた。
近づけば近づく程、ボールが床に跳ねるダンッという音と、キュキュキュっという体育館の床と靴が擦れる音が大きくなる。
ここか…誰か自主練してるのかな。
そう思って第三体育館の中こっそり覗いてみれば、梟谷のエースさんとセッターさん、黒尾先輩とリエーフが練習していた。
全員、また汗かいてるし…。
どの高校もバレー馬鹿ばっかりだなぁなんて笑って見るが、体育館のどこにもドリンクの入っているだろうボトルがないことに気づく。
…きっと日向と影山みたいに際限なくやるんだろうなぁ。
しかも、夜だからっていって涼しい訳でもないし…。
私は来た道を戻って烏野の荷物置き場まで行き、大きめのボトル二本と、コップを適当に掴んで、給水場に寄る。
そして、ドリンクを二本分作り、手に持っていたバインダーを脇に挟むと、第三体育館へと戻った。
話しかけて絡まれたらめんどくさいし、メモでも貼って置こう。
それが終わったら仁花ちゃんの所に行って、ご飯食べに行こう。
そう決意してそっと体育館に近づき、入り口付近にボトルとコップ、その上にメモを置いた。
よし、仁花ちゃんのとこに行こう、と顔を上げると、いつも自主練をしない月島が、あの四人に加わっていたことに気づく。
月島が練習してる…!
思わずその姿を見つめていれば、
「あっ、Aさん!」
と、横から声をかけられてハッと我に返る。
そのリエーフの声に、全員がこちらを振り向く。
「何でここに来てくれたんスか!!」
キラキラと笑顔で寄ってくるリエーフに後退りしつつ、私はひとつお辞儀をした。
「自主練してるのを見つけたので、ドリンク届けに来ました。練習中断させてしまってすみません。明日もみっちり練習はあるので、無理しすぎないでくださいね」
とだけ言って去ろうとすれば、誰かにガシッと腕を掴まれる。
びっくりして、その手の先を振り返れば、
「え、どこ行くんスか?」
と、子犬のような目をして私を見るリエーフが居た。
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mifulu(プロフ) - るさん» コメントありがとうございます! そう言っていただけて嬉しいです。 (2020年4月18日 12時) (レス) id: ab7a8cd136 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 星猫さん» コメントありがとうございます! ここではなんですので、良かったらボードなどで話しかけて下さると嬉しいです。 (2020年4月18日 12時) (レス) id: ab7a8cd136 (このIDを非表示/違反報告)
る - すごく面白いです、早く続きが読みたくなります (2020年4月18日 9時) (レス) id: 3219097ab0 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか? (2020年4月13日 18時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mifulu | 作成日時:2020年4月6日 20時