好きで、ごめんね 2

気持ちの変化 1 ページ2

佑生side

最近、Aが妙に切なそうな顔をしている時がある。きっと、原因は山畑何だろうけど。仕方ないよなぁ。意外とモテるからな、あいつ。性格は優しいし、顔もまあかっこいいし、声もいい方だし、勉強できるし、スポーツできるし。それに、責任感あるし、ちょっと抜けてるところもかわいい……えっ？何で、今、山畑のことばっか考えてた？

佑「えっ…………？」

思わず口にしてしまった。何でだ……と思ってると、ある日のことを思い出した。

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それは、いつものように帰っている時だった。今日、あったことをAに話していると、

貴「ねぇ、佑生？」

と、Aが私を見て、呼んだ。

佑「ん？」
貴「やっぱ、何でもない」

と、笑ってごまかされた。でも、それでは、なぜか嫌で。私は問い詰めた。

佑「何〜？」
貴「えっ、何でもないって！」
佑「絶対違うでしょ〜！なに？嘘つかないで？」

そう言うと、うっとしたように表情を変えた。

貴「……佑生って、福田が好きなんだよね？」
佑「うん」
貴「佑生、1日に10回以上山畑の話してるよ？」

と、言った彼女の顔は切なそうに笑ってて。あの時は、深くは考えなかったけど、きっと、私は知らないうちにAを傷つけていたんだ。知らず知らずのうちに。そう思うと、心が痛んだ。でも、それと同時に浮かび上がる疑問。

佑「そんなに…山畑の話してる？？」

してないはず……でも、それなら、ああやって言わない。だから、A前で話してしまっていたんだろう。最低な奴だ、私は。そう思いながら、ここ数日を思い返す。そして、気づいた。たくさん話していた、山畑のこと。それは、Aが喜ぶかもしれないって、思ってたから。でも、その時のAの顔を知らない。いや、見てない。じゃあ、どこを見て……？またもや気づいてしまった。私は、あいつを思いながら話していたのだと。Aは知らない山畑の話をするのが、なぜか、嬉しかったこと。特別な気がするって思ってしまっていたこと。

佑「でも……私は……私は……！！」

私は……福田のことが好き……なはず。でも、山畑が私の心の中にいるのは、本当。どうすれば、いい？親友だから、Aのこと傷つけたくない。でも、山畑のことは、気になる。嫌なのに、ダメなのに……。

佑「なん……で………？」

私はモヤモヤを抱えたまま、部活に向かった。

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