今度こそ ページ19
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部屋を出て、沖田さんを探して周りを見渡すが、さっきまでいたはずの沖田さんがいない。
どうしようかと考えるが、すぐそばに隊士さんがいることに気がついて声をかける。
「あの、すみません。沖田さんが今どこにいるか知ってますか？」
「沖田隊長なら、さっき自室に戻られましたよ」
「そうですか、ありがとうございます！」
そう礼を言えば、気の良さそうな隊士さんはニコリと笑ってはい。と言う。
私はその返事を聞いてくるっと左を向き、すぐそこの部屋の襖の前に立って呼びかけた。
「沖田さん、Aです。少しお話ししたいことがあって…お時間もらっても大丈夫ですか？」
すると、さっきの隊士さんとは対照的に、あァ。と素っ気ない返事が聞こえてくる。
私がそっと襖を開ければ、その音と同時にクルリと私の方を振り返る沖田さんの姿があった。
「で、何でィ、話って」
今の今までどうもなかったのに、本人を前にすると妙に緊張してくる。
さっきの勇気と自信にあふれた私は何処へ行ってしまったのだろうか。
そんな事を考えながら、彼の前へと腰を下ろした。
「えっとですね…私、」
下げていた目線をグッと開ければ、沖田さんと目が合う。
でもその目はどこか悲しそうで、私ではない遠い何かを見ているようなそんな気がして。
私は、大きかった勇気もしぼんで、小さな声でこう呟いていた。
「さっき上様にプロポーズされました」
すると、沖田さんはなんともないような声と表情になる。
「へェ、そりゃ良かったねィ。やるじゃねェーか」
私はその反応がちょっぴり悔しくて、彼の目を覗き込む。
「でも、お断りしたんです」
「…え？」
そう声を零す彼はいつものポーカーフェイスも忘れて、驚いたように目を見開いて私を見ていた。
…ようやく、『私』と目が合った。
私は嬉しくて、もう思ったまま全部言ってしまえと、緊張も考えることも放り出して、ただ目の前の彼を見つめた。
「好きな人がいるんです、私。きっと私の気持ちに気づいてた。
いっつも私を馬鹿にしてくる癖に、私がピンチの時はいつも助けてくれて、本当にかっこよくて。
でも、私に足枷とたった六行の手紙を残して、遠くに行っちゃったんです。酷いでしょう？」
そこまで一度言葉を切ると、沖田さんはその赤色の目を揺らしていた。
私は大きく息を吸う。
最後の、本当に伝えたい言葉を言うために。
なのにー
「そんな酷ェやつ、さっさと諦めちまえ」
響いたのは、沖田さんの声だった。
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mifulu(プロフ) - 吉羅さん» 最後までお付き合い頂き、ありがとうございます！ (2019年9月13日 11時) (
レス) id: 8b6c4aa189 (このIDを非表示/違反報告)
吉羅 - すごく泣けます！（泣いてないけどｗ）沖田が手紙と花束を渡すとこ、あれが１番良いです。結婚完結もよかったです！これからも頑張ってください！！ (2019年6月3日 16時) (レス) id: 2c9031588c (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 金欠女子wさん» 読んでいただいて、ありがとうございます！ (2019年1月10日 22時) (レス) id: f591e17e69 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - すずさん» いつも、ありがとうございます！ (2019年1月10日 22時) (レス) id: f591e17e69 (このIDを非表示/違反報告)
金欠女子w(プロフ) - 更新お疲れ様です！ (2019年1月10日 21時) (レス) id: 5ee93ef12b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mifulu | 作成日時：2018年11月8日 23時
