突然の訪問 ページ2
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11月の最初の日、沖田くんが出発する日。
俺はいつもよりも早く起きてしまい、Aが寝ている部屋の前に立っていた。
昨日、なぜかお登勢の店で寝てしまったAを部屋で寝かせてから、一度もここから出てきていない。
少し耳をすませても、部屋からは規則正しい寝息しか聞こえてこない。
だがたまに…まぁ、すぐ止むのだが、少し苦しそうな声を上げる。
まるで、何かから逃れようとするみたいに。
俺が部屋を思い切って開けようと戸に手をかけた時、ピンポーンとチャイムが鳴り響いた。
「ったく、誰だよこんな時間に…」
そうぶつくさ言いながら玄関の戸を開ければ、
「悪かったな、こんな時間に来て」
と、私服姿で俺を睨みつけている土方がそこにいた。
「…お前、なんでそんな焦ったみてーなツラ…」
「おい、Aはいるか？」
土方は、俺のいうことも聞かず、焦りながら聞いてくる。
「今、寝てんだよ。何か用か？ 悪いが…」
「これ渡しに来たんだ」
そう言って懐から出したのは、白い封筒と紫色の花の小さな花束だった。
「それ…まさか！」
俺が驚いて声を上げれば、土方はまっすぐ真剣な眼差しで俺を見て、こくりと頷く。
「待ってろ、すぐ起こしてくる。上がっとけ」
俺はそう言い捨て、急いで部屋に駆け寄り起こそうと声をかける。
「A、起きろ！ いつまで寝てんだ！ 牛になっちまうぞ！」
「銀ちゃ、うるさい…もうちょ、」
「お前に客が来てんだよ！ さっさと起きて用意しろ」
そう言い残してその場を去れば、不服そうに不平を言うAの声が聞こえる。
しかし俺は華麗にスルーし、土方のいるリビングに座った。
「今、用意してるから。ちょっと待っててくれ」
「あァ、すまねェな」
少しの間沈黙が続くが、俺が思いっきり破ってしまう。
「なァ、あの二人に一体何があったんだ。
あいつの誕生日からちょっと経ったくらいから、様子が変なんだよ。
しかも、昨日からさらに様子が変なんだ。明らかに何かあったんだろ」
そう聞くと、土方が気まずそうに口を開く。
「昨日のは知らねェが、その前のは…総悟がAとの間に線を引いたんだ。…俺の推測だが」
「線を引いたって、それ…」
「総悟が考えに考え抜いた答えなんだ、それが」
静かに自分に言い聞かせるようにつぶやく土方。
「そんな…でも、本当なのか？」
半信半疑の俺がそう呟くと、戸の方から声が聞こえた。
「本当だけど…人の悲しい話するなんて悪趣味ね」
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mifulu(プロフ) - 吉羅さん» 最後までお付き合い頂き、ありがとうございます！ (2019年9月13日 11時) (
レス) id: 8b6c4aa189 (このIDを非表示/違反報告)
吉羅 - すごく泣けます！（泣いてないけどｗ）沖田が手紙と花束を渡すとこ、あれが１番良いです。結婚完結もよかったです！これからも頑張ってください！！ (2019年6月3日 16時) (レス) id: 2c9031588c (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - 金欠女子wさん» 読んでいただいて、ありがとうございます！ (2019年1月10日 22時) (レス) id: f591e17e69 (このIDを非表示/違反報告)
mifulu(プロフ) - すずさん» いつも、ありがとうございます！ (2019年1月10日 22時) (レス) id: f591e17e69 (このIDを非表示/違反報告)
金欠女子w(プロフ) - 更新お疲れ様です！ (2019年1月10日 21時) (レス) id: 5ee93ef12b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mifulu | 作成日時：2018年11月8日 23時
