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名前は忘れてしまったけど、覚えてる。
ちょうど一年前に亮の結婚式で会ったひとだ。
確か亮の、高校の時の友達、だった気がする。
たくさんひとがいた中でもこの高身長でこの端正な顔立ちで、すごく目立っていた。
二次会では案の定独身アラサー女子たちの獲物になっていて、その彼女たちをものすごく鬱陶しそうな顔で「彼女おるから」と一蹴していたとこも見た。
鬱陶しいのはわかるけど、祝いの席なんだから場の空気が悪くなるようなこと言いっこないのに。大人なんだからもっと上手くあしらえばいいのに。と、思ったことも覚えている。
容姿がこれだけ良いと、ちやほやされすぎて性格悪くなるのか、なんて勝手なことまで考えた気がする。
「…亮ちゃんの友達やろ？結婚式おったよな。」
私の顔をじっと見てから、「名前なんやったっけ？」と尋ねてきたから、覚えていたのかと落胆するようなほっとするようなおかしな気持ちになった。
「山田Aです…あの、亮の高校の時の…」
「大倉な。大倉忠義。」
「大倉くんは…なんでここに？」
バカみたいな質問だけど、なんとなく知り合いがここに住んでいることを受け入れたくなかったのかもしれない。
それも、亮の友達だし。
「なんで、て住んでるからに決まってるやん。越してきたんは一週間前やけど。」
私の気も知らないで、大倉くんはさらりとそう答えた。
「…へえ。そうなんだ。」
それはまた、プラスかマイナスかと言われると、マイナスな話だ。
少なくとも彼はこの屋上を発見してしまったので、私の憩いの場が壊される可能性がある。
それに、大して知りもしないのに失礼かもしれないけれど、第一印象はあまりよくないし、亮の友達ってところもネックになりそう。
そんなことを私が考えているなんてつゆ知らず、「なあ」と話しかけてきた大倉くんに私は顔を上げた。
「さっき、電話で話してたん、亮ちゃんやろ。」
「え？」
「別に聞く気なかったんやけど、聞こえてきたから。俺もこないだ聞かれてん。犬預かってくれへんー？て。」
「……で、断ったんだ。」
「そう。やから、そっちにいったんやと思う。」
無邪気に、どこか楽しそうに言う大倉くん。
ひとの気も知らないで。
愛想笑いもできないでいると、
「…Aちゃんてさ、亮ちゃんのこと好きやろ？」
大倉くんは無邪気な顔のままそう聞いてきた。
頭がぐらりと大きく揺れた。
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蒼 夢見子(プロフ) - すぅさん» すぅ様、初めまして。コメントありがとうございます^^私には勿体無くも有難いお言葉いただけてとても嬉しいです（涙）これからも楽しんでいただけるものを書けるよう頑張ります！ (2018年12月3日 11時) (
レス) id: d57fe18bd1 (このIDを非表示/違反報告)
すぅ(プロフ) - こんばんは。今まで読んできた小説のなかで一番素敵な物語です。これからも応援しています (2018年12月3日 0時) (レス) id: 6e6892a55b (このIDを非表示/違反報告)
蒼 夢見子(プロフ) - 茜音さん» 茜音様、こんにちは。こちらにもコメントいただけてとっても嬉しいです...（涙）この間とはすこし違ったいたずらで甘い大倉くんを書きたいなーと思い書き始めました。そう言っていただけると俄然執筆への意欲が湧いてきます！ありがとうございます^^ (2018年11月21日 10時) (レス) id: d57fe18bd1 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - こんにちは！こちらのお話にもコメント失礼します。優しいんだか冷たいんだか分からない大倉くんとっても魅力的です好きです（；＿；）ヒロインちゃんが幸せになれることを密かに願いながら応援しております、、、！ (2018年11月21日 0時) (レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 夢見子
| 作成日時：2018年11月13日 22時
