47.強くなれ ページ50
及川さんの強烈なスパイクをなんとか澤村がとるが、乱されてしまい、速攻は使えない。
「レフトォォオ!」
「センタァァァ!!」
「レフト!」
影山が東峰にトスを上げる。
「旭、行けえぇえ!!」
三枚ブロックを吹っ飛ばしたものの、後ろのリベロにとられてしまう。
「岩ちゃん!」
「
エースのスパイクを田中が受けきったが、青城のチャンスボールとなってしまい、十二番がそのボールを打つと、今度は西谷がボールを拾った。
「少し乱れた! セッターまで届かない! まあ攻撃は単調にレフトか……!」
_____関係ない。
影山は、日向がどこにいようともトスを上げる。
日向は、影山がどこにいようともトスを待ってる。
トスを打つ。
位置、タイミング、角度、
ドンピシャッ……!!
「……!」
しかし、日向が打ったボールは三枚ブロックに弾かれた。
皆が追いかけたものの、想像以上に呆気なく、ボールはゆかにおちてしまった。
31(烏野)−33(青城)。
_____青城の勝ちだ。
「……“終わっちゃった”」
*
「よし、じゃあ、飯行くぞ。もちろんオゴリだ」
外でミーティングを終えたあと、いきなりコーチがそう言い出した。
「飯……スか……? いや、でも」
「いいから食うんだよ」
……と、半ば強制的に飯に連れていかれた……。
*
「おばちゃん悪い、開店前に」
「なぁんのお〜。こんなの前はしょっちゅうだったじゃないの」
お店の人と話を終えたコーチは私達の方に来て「___走ったりとか」と口を開いた。
「跳んだりとか、筋肉に負荷がかかれば筋繊維が切れる。試合後の今なんか筋繊維ブッチブチだ。それを飯食って修復する。そうやって筋肉がつく。___そうやって強くなる。だから食え。ちゃんとした飯をな」
「……い……いただきます」
「はーいどうぞー」
お箸でご飯を口に運ぶと、すごく温かかった。熱いくらいに。
皆が泣きながら食べているのを見て、なんだか妙に虚しくなって、切なくなって、何故か鼻の奥がツンとした。
それを鼻水のフリしてティッシュで拭く。
あの音駒の主将の鼻セレブぶんどれば良かった。
ずっと向き合ってこなかったし、何も意思を変えるつもりもないし、何も言う資格なんか無いのかもしれないけど、みんなには『強くなってほしい』と心から思った。
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昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです! 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2021年5月4日 8時