30.区画 ページ33
「あ、浦塚!」
数日後、塾の関係で部活を休んだ帰りに菅原と鉢合わせた。
やっべ、今おにぎり食べてたんだけど。
「あれ、路上飲みならぬ路上食べ?」
「頭使ってお腹空いたから……」
「へー。あ、それでさ、インターハイ予選の組合出たんだけど……こんな感じ」
菅原から渡された紙を受け取ると、どうやら烏野はAブロックらしい。
一回戦は常波というところ。二回戦は……。
「……伊達工も勝ち上がってきたら二回戦で当たるじゃん」
「そう! そうなんだよ……」
かつてうちのエースを潰したブロックを持つ強豪、伊達工業。
圧倒的なブロックで尽くエースのあのスパイクをブロックしやがったあそこと戦うのか……。
「……ん? ……うわー、まじかコレ……」
Aブロックのシード枠に書かれてある高校を見て一気に気が重くなった。
「うちの
とてもゴメンだけどあの及川さんって人に会いたくない。あと国見君にも自分の中学時代少し知られてるから会いたくない。
「うん。でも____勝つよ、俺達は」
そう言った菅原は本気のようで、どこか遠くを見つめていた。
そんな彼の姿を見ながら、私は持っていた紙を菅原に押し付けるような形で返した。
「……最後の大会だしね」
そう言った私を、菅原がどこか悲しそうな、険しそうな表情で見ていたのは知る由もなかった。
*
「ねー、潔子〜」
「どうしたの?」
部活中、潔子と一緒に備品整理をしていると、私はあるものを見つけてしまった。
大会に行くとどこの学校にもあるのにうちだけ無かった。でも、どうやら眠っていただけらしい。
「これ、洗ったら使えそうじゃない?」
「……それって……」
*
_____そして、インターハイ予選前日。
「____俺からは以上だ。今日はよく休めよ」
「ハイ!!」
澤村が最後に号令をかけようとすると、そこに武田先生が「もうひとつ良いかな!?」と手を挙げた。
「清水さんと浦塚さんから!」
先生がそう言うと、皆んなが怪訝そうな顔をした。ちょっとでいいから見つけた私を褒めてほしい。いや別にいいけど。
「……激励とか……そういうの……得意じゃないので……」
私が紙袋に入れてきた
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昆布の神(プロフ) - 虹四葉さん» コメありです! 烏野大好きです……。おまけ話みたいになるんですけど、浦塚さんはお勉強をよくしているので甘党という設定になっていて、それゆえに悩みがあんなエグいことになっています() (2021年9月3日 22時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
虹四葉(プロフ) - コメント遅れたけど、烏野メインは最高です昆布様。あと、浦塚さん.....ココアにキットカットは流石に甘すぎるのでとりあえずヤバイっす。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 550a2fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2021年5月4日 8時