夏の終わり、幼馴染が彼女になった。

once again １６ ページ19

炭治郎side



A「……………なんで……？」



Aは大きくて赤い瞳をより一層大きく見開いた。




炭「なんでじゃない……」



炭「ずっと……こ、来ない…から……」


走ったせいで息切れがすごくて言葉が途切れ途切れになってしまう。



炭「よかった………」



Aがいることに安堵して抱きしめる。



Aは細かった。

元気がなさそうな痩せ方で、抱きしめる手をキツくしたら体が壊れてしまうんじゃないかと思うほど。





するとAが何かを堪えるように息を大きく吸い込んだ。




ふぅ…と息を吐いたAの匂いは何かを諦めているような匂いだった。








A「…………私……言ったよね…五日間だけで良いから付き合ってって……


今日、最終日なんだよ」



炭「Aっ俺は…」



言葉を遮るようにAが俺の目の前にあるものを突き出してきた。



これは………




炭「線香花火…？」



「そうだよー」とAは懐かしそうな目で花火の袋を見た。




A「最後のわがまま聞いてくれない？」



本能的か直感的か




俺はすぐに頷いていた。

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