音柱の継子さんどうやら地味に過ごしたいようです

地味でいさせて　２４(追加) ページ29

A「…………夢」


寝起きで絡まった髪を指でくるくるといじりながら呟いた。
嫌な夢だ。二度と思い出したくないことを……。

まだ寝ている時透様を横目に、邪魔な髪を適当に結って洞窟の入り口の近くまで行くとカラッと晴れた青い空が見えた。
雨が止んだらしい。


夜より昼が好き。

鬼が出ない時間だから楽だし

月も見えないし…………



ああ、だけど



A「太陽も眩しいから嫌いかな……」



じゃあ何なら好きなんだろ……

私が好きなもの……






A「地味、か」


地味でいれることが良い。
楽だから。

面倒くさいことには関わらない。これが一番大事。


…………まあ、あの師範がいる限り、四六時中地味に過ごすことはできないんだけどね……。

だけど師範に助けてもらったから裏切ることもできないという状況。はあ……。







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時透「なんか顔色悪い？」


鬼が塵になった場所を見つめる私に時透様が聞いてきた。


A「なんでもないですよ」


時透「うーん嘘ついてそうだけど、体調が悪いって訳じゃなさそうだね」


この人、私が嘘ついてるかどうかわかるのかよ……。


A「早く任務を終わらせましょう。
私は北に行くので」


時透「わかった」


時透様の返事を聞いて私は北に走り出した。

なんとなく眠い目を擦って。

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