音柱の継子さんどうやら地味に過ごしたいようです

地味でいさせて　１０ ページ13

A「ほんっと一日五回のため息という最高回数を記録したんですけど、どうしてくれるんですか？」



飲み会が終わった２日後、ただ今、師範を問い詰めております。



宇髄「お前が地味にため息つくことなんて日常茶飯事だろ？」



A「黙れ」



宇髄「…………」








宇髄「それより」



A「それよりじゃねえんだよ」



宇髄「なんか今日、口悪いな」



あんなことされたら、誰だって怒るでしょ。
あの後、誰が片付けやったと思ってやがるんだ、この人。



宇髄「お前、好きな人とかいねえのか」



A「いません。好きな人ができる気もしません。私は恋はしないと決めたんで」



なんで、この人、私にそういう質問ばっかりしてくるんだ…………



宇髄「まあ、お前は派手に恋した方が良いと思うぞ」



A「い・や・だ」



宇髄「その一点張りだなぁ。なんでだよ」



A「興味ありません」



プイ、と私は師範から顔を逸らした。



A「任務があるので、もう行きます。
今日は遠くまで行くので藤の花の家紋の家に泊まってきます」



宇髄「出会いがあると良いな



A「無いとありがたいんですけどね」



そう言って私は屋敷を出て走り出した。

少し苛立っている、その足を踏み締めて。

地味でいさせて　１１→←地味でいさせて　９

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す