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「牛若止めたァア！？」
「誰だアイツ！」
「知らねー！！」
牛島さんが、ドシャットされた。会場がどよめきでひっくり返る。
……今のトス、少しだけネットに近くて低かった。
トスに若干の乱れ。
しつこすぎるワンタッチの数々。
誘ってた？
……違う。
誘ったというよりも。
「“待ってた”……」
31(烏野)−29(白鳥沢)
異例の事態によって、第二セットを落とすことになった。
＊
「……」
「……」
「…………」
誰も何も喋らない地獄の空気。
予選は通過して当たり前だったはずの白鳥沢が、去年までは遥かに格下だった相手にドシャットでセットを取られた。全国の舞台ならまだしも、このような場面、普段なら監督の怒号が飛んできて当然。
にも関わらず監督が妙に静かなのが怖い。
(ていうか、べつに調子が特別悪いわけじゃないし大丈夫でしょとか思ってたら、ブロックが想像以上にしつこかった……。白布さんって意外とメンタル不安定？ 何か声かけとけば良かった？ でも瀬見さんが声かけてたし、本当に調子が悪いわけじゃなかったもん。何も言うことなんて無かっ……)
「賢二郎」
ぐるぐる考えていると、監督がやっぱり妙に静かな声で白布さんを呼んだ。呼ばれたのは白布さんだけだったのに、何故か私も含め、みんなが震え上がったように肩を跳ねさせた。
「……ハイ」
「その顔は自覚している顔だな」
白布さんが監督からありがたいお言葉を聞かされているのを遠目に見て、やっぱり声をかけるのなんて杞憂だったなと考え直した。
「賢二郎生きてる？」
監督のところから帰ってきた白布さんに天童さんが茶々を入れに行く。みんなからボトルやタオルを回収していると彼らの会話が聞こえてきた。
「これが練習試合だったら往復ビンタでした」
「そォか？？ ミスってほど悪いトスじゃなかったし、よくあることじゃんか。それに今のは眼鏡小僧がウマかったよ」
「……今のは単なるミスではないんです」
いきなりデカいビンタの音が聞こえ、本日二度目に肩が跳ねた。振り返ると、白布さんが両頬を赤くして、しかも目が据わっている。
チームのエースを目立たせるのが自分の仕事。及川さんや影山のような、チームの前線にいる華やかなセッターでなくて構わない。
それが、彼のポリシー。
「……やっぱり、杞憂」
小さく呟くと、“杞憂”という言葉はパズルのピースが当てはまるように、しっくりと感じられた。
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昆布の神(プロフ) - いよかん。さん» コメありです！ 頑張りますね！💪 (3月25日 8時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
いよかん。 - 赤い星おめでとうございます！！ これからも楽しみにしてます！！ (3月24日 19時) (レス) id: e0560282da (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - とくめーさん» コメありです！ そう言っていただけてめーっちゃ嬉しいです🥰 面白いお話を書けるよう頑張りますね！ (3月24日 7時) (レス) @page43 id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
とくめー - めっっっっちゃ面白いし投稿頻度高めなのすっごい最高です。めっちゃ好きですこの作品愛してます💕 (3月23日 22時) (レス) id: 70b13c5b03 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - 葉華さん» コメありです！ 鬼滅書いてたの懐かしいです笑 そう言っていただけて嬉しいです🥰 新学期の準備もありますし、お互い体調には気をつけましょう。お気遣いありがとうございます！ (3月19日 6時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2024年3月9日 14時
