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二人で仲良く到着した先は、普段はなかなか来られないような高級レストラン。
高級感漂う白いヨーロッパ調の門を前に、私は少し不安げに涼ちゃんを見上げた。
A「ここ…高いんじゃない?」
涼介「なぁに言ってんの、たまにはいいじゃん。ね?」
涼ちゃんのその言葉に、さっきまで感じていた不安は一ミリも残らず消え去った。
やっぱり、魔法使いみたいな涼ちゃん。
涼介「早く入ろーぜ?」
A「…うん!」
涼ちゃんの腕をさっきより強く握ると、"ほんと俺のこと好きだな?"なんて言葉と共に、無邪気な笑顔を私に向けた。
"大好き。世界一大好き。"
今言ったら恥ずかしくてどうにかなりそうだから、心にしまったこの言葉。
あとで二人きりの時言ってあげよっかな…
照れた涼ちゃんの顔が浮かんで、こっそりにやけていることを、
隣の彼は知らない。
ふふ。
私だけの特権…だよね?
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『いらっしゃいませ。』
中に入ると、窓際の席に案内された。
窓から見えた景色は、東京の夜景が一望できるとても素敵な景色だった。
A「わぁ…すっごくキレイ…」
ため息が出ちゃうくらい。
色とりどりのネオンの煌めきに心を奪われた。
涼介「でしょ?…って、俺も初めて見たんだけどね。めっちゃキレイだね。」
A「涼ちゃん、ここ誰かに教えてもらったの?」
涼介「うん。知念に、ここ夜景キレイでオススメだよって。」
A「知念くんが?」
涼介「あいつ、意外にロマンチストなとこあんだよねー。」
A「ふふ、今度会ったらお礼言わないとね。とてもキレイでした。って!」
涼介「ん。またみんなでご飯でも行こうよ。」
知念くんと、奥さんと、知念くんによく似た息子くんの姿を想像した。
三年前に結婚した知念くん。
結婚してすぐに出来た息子くんは、華ちゃんと同じ年で。
もしかしたら、華ちゃんと結婚するかもよ?
なんて冗談を言ったら、涼ちゃんは本気にして"おい!やめろよなー?"って。
眉を下げてた。
なかなか見られない涼ちゃんのそんな表情を思い出して、思わず笑みが溢れる。
涼介「何笑ってんの。」
A「ふふ。なんでもなーい。
あ、料理来たよ!」
ごまかしたら、不満気に膨れた涼ちゃん。
なかなか見られないその表情も、瞳の裏に焼き付けた。
また増えた、私の宝物。
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さち(プロフ) - すごく胸がときめきました!ほんとにこんな話があったらいいですね!これからも頑張ってください!応援してます! (2017年10月29日 8時) (レス) id: 8963f2aaa7 (このIDを非表示/違反報告)
るりこ(プロフ) - みやみやさん» みやみやさん!お返事遅れてしまいごめんなさい(;_;)そして、とっても嬉しい感想ありがとうございました(;_;)!ずっときゅんきゅんとか、理想の家族とか、嬉しすぎます(´ ` *)よければこれからも他の小説も読んでくださいね!お気に召されるかわかりませんが(;_;) (2017年3月3日 23時) (レス) id: f73aca9322 (このIDを非表示/違反報告)
みやみや(プロフ) - 初めて感想書きます!すごく感動しました!ずっとキュンキュンしてました(笑)いつかこんな家族になれたらなって思います!(まだ彼氏もいないのに…(笑))感動をありがとうございました! (2017年2月9日 21時) (レス) id: 0974fe61bc (このIDを非表示/違反報告)
涼李。(プロフ) - 全然大丈夫です!私こそ、いつも長々とコメントかいてごめんなさい...!こちらこそ素敵なお話をありがとうございました!短編楽しみにしてますね♪ (2017年1月9日 16時) (レス) id: 7a1569bb8c (このIDを非表示/違反報告)
るりこ(プロフ) - 涼李。さん» 涼李さん☆お返事遅くなってごめんなさい(;_;)こうして完結できたのも、涼李さんたちのおかげです。ほんとうにありがとうございました!これからは短編が主になると思うので、そちらでもよろしくお願いします(*^^)v涼李さんいつもありがとう!(はーと) (2017年1月8日 1時) (レス) id: f73aca9322 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るりこ | 作成日時:2016年10月21日 0時