Thunder / 盛山晋太郎 ページ9
「もうええわ、どうもありがとうございました」
客席から湧き上がる拍手。
舞台上で軽く一礼した彼はこちらに一瞥くれる事もなく、いつものように舞台袖へと消えていった。
「おもろかったな」
漫才劇場でのライブが終わり、彼とランチへ赴く。
彼は満足そうに運ばれてきたパスタを口へ運ぶ。
「ほんまやね。今日のからし蓮根のネタなんか私の好きなやつやったわ」
「Aはホントにからし蓮根が好きな(笑)」
ネタを思い出したのか、クスッと笑いながらこちらを見る。
幸せだ。
趣味の合う素敵な彼と過ごす休日。順風満帆。
だが、そのうち彼は決まってこう言う。
「見取り図もおもろいのになあ」
知ってる。
なんて口には出さないが、私は好みの合わない彼女のフリをする。
「今日どうする？夜」
彼からそう言われて携帯を見る。
「ごめん、今日友達と呑む約束しててん！」
顔の前で手を合わせて謝ると、彼は「しょうがない」と引き下がる。
「ほんまは寂しいねんけど、ほんならしゃーないな。また今度うち来てな」
「ごめんな、ありがとう！」
そうして夕方頃、彼と解散すると特に友達と合流するでもなく家へ帰る。
洗濯物を取り込んだり、朝食のあと片付けをしたり。
部屋を一通り綺麗にした頃、メッセージが入る。
メッセージを確認すると、どうやらその送り主が到着したようだったのでこちらからエントランスを開ける。
しばらく経つとインターフォンが鳴るのと同時に家の扉が開く音がした。
「A、おる？」
遠慮がちな足音が近づいてくる。
私は返事はしない。
その代わり、ドアを開けたその人の胸に飛び込む。
「…盛山さん」
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みか - はじめまして。寿司太郎さんの小説がとっても好きです。私もリクエストさせて下さい。二宮和也さんの「GimmickGame」を盛山さんで見たいです。よろしくお願いいたします (2020年12月22日 0時) (
レス) id: 537ffb3acd (このIDを非表示/違反報告)
ひなちゃ、(プロフ) - 素敵なお話いつもありがとうございます！(;_;)リクエストはまだ受け付けておりますでしょうか？まだ大丈夫でしたら、aikoさんの「君の隣」をリリーさんで見てみたいです。これからも更新楽しみにしています！ (2020年8月27日 23時) (レス) id: 4c986a5ef9 (このIDを非表示/違反報告)
類 - リクエストに応えて下さってありがとうございました！ただ単に好きな曲をリクしてしまったので書き辛かったのでは、と申し訳なく思っていたのですが、作品を読んだ時凄く凄く良くて寿司太郎さんの作品の虜に改めてなりました。素晴らしい作品をありがとうございました！ (2020年7月8日 0時) (レス) id: 8acde5b950 (このIDを非表示/違反報告)
仍(プロフ) - リクエスト叶えてくださってありがとうございます！！とても良かったです！これからも楽しみにしております。 (2020年7月7日 22時) (レス) id: 045a13f972 (このIDを非表示/違反報告)
類 - 前作から読ませて頂いております。また寿司太郎さんの作品を読めるのがとても嬉しくて嬉しくて...！日々の愉しみになります。ありがとうございます。リクエストですが、盛山さんでサカナクションの表参道26時をお願いしたいです。 (2020年7月3日 23時) (レス) id: 8acde5b950 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寿司太郎 | 作成日時：2020年6月16日 23時
