【金カム】男装剣士の少女と金塊探し (ページ6)

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第四話ページ6

チタタプを三人で交代し、オハウという汁物を振舞ってもらった。食べ物に感謝する言葉「ヒンナ」を覚え、私たちは短い食事の時間を楽しんだ。

　鍋が空になると、杉元さんは改めて真面目な顔で私を見る。

　「もう知っていると思うが、俺たちはある目的があって刺青について聞き回っている。あの兵隊のような奴とも、野生動物とも戦う。」

　すると、彼は少し声を強くしてこう言った。

　「せっかく探しに来てくれたところ悪いが、俺たちにはついて行かない方がいい。何に巻き込まれるか、分かったもんじゃないんだ。」

　…その返答への答えは、既に決まっていた。私が街であなたを見つけてから、これ以外の答えは考えられなかった。

　私は腰に下げた刀に触れると、彼の真面目な忠告に失礼がないよう、こちらもしっかりと見つめ返す。

　「お断りします。」

　その一言が、彼らの表情を変えていた。

　「全て、知っています。聞いてしまいましたから。

　その刺青が何を示すのかも、顔のない囚人も、全て。」

　大きく息を吸う。この決断が、私の運命を大きく変える。そんな予感がしていた。そして、祖父に近づける予感も。

　「家を出た時から覚悟はできています。私も、その『金塊探し』のお手伝いをさせてください。」

　視線は逸らせない。

　「それに、私も武士の…近藤勇の血受け継いでいる者。既にあの兵士へ攻撃を仕掛けておいて、逃げるわけにもいきません。そして、勝負を投げ出す気も。」

　「え…近藤勇！？」

　杉元さんの表情が変わっていく。

　「…あと、負けたりなんかしませんよ。ずっと兄様と『天然理心流』の稽古をしていましたから。」

　そう言って精一杯の笑顔を見せると、二人の不安げな表情が、少しずつ和らいでいく。

　「貴方も、アシリパさんもお守りいたします。だからどうかお共させていただけないでしょうか。」

　すると、小さな手が私の前に差し出される。少し視線を上げれば、あどけない少女の笑顔。

　「…ああ、改めてよろしく頼む。近藤ナマエ。」

　「…はい。よろしくお願いします。」

　かつて祖父が、近藤勇が使っていた刀、『長曾根虎徹』と共に、主君を守る剣。握り返した手が、どれだけ血で染まろうとも、彼らを守ると誓ったのだ。