【HQ】フクロウ拾いました。【赤葦京治】

６羽 ページ8

『わっ！！』




深夜に思わず声をあげてしまった。


ものすごい勢いで距離を取る。



目の前の子は瞬きを数回繰り返すと、首を傾げる。



あ、かわいい、じゃなくて！



上半身だけがばっと起き上がる。



『………あ、あの、』



「…ああ、貴女に拾っていただいたんですね。

すみません、こんな姿で寝所まで用意していただいて」



起き上がりながら律儀に謝罪をするきょうじくん。



「すみません、紹介が遅れました。

俺、梟谷学園通ってる二年の、赤葦京治っていいます。

ありがとうございます、助けていただいたうえにお風呂まで…」


『…ああ、いえ、お気になさらず…。

私、Aです。高槻、A。

よろしく？お願いします』





______あかあし、けいじ。



心の中で復唱する。


きょうじだと思ってた。









______ん？ちょっとまて





『え、フクロウだった時の記憶はあるの？』


「ありますよ」


『お風呂の時も？』


「もちろん」


『……』




きっと今自分の顔はものすごく間抜けだと思う。


開いた口が塞がらずにぽかん、としていると、赤葦くんが口を開いた。









「……貴女着痩せするタイプなんですね」


『言うと思った！！』


「まぁ、悪くはないんじゃないですか」


『……』






……完っ全にからかわれてる。





助けてもらったフクロウの分際で生意気だなぁ！なんて思いもあったが、口元を緩めて微笑む姿に、つられて笑みをこぼした。

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