番外編(夏祭りVer.)100000hit突破記念 ページ47
規則的な提灯の明かりが点々と小さく遠くで揺らぐ。
斜めに伸びる天の川を見上げて、今ごろ織姫と彦星は会えたのかな、なんて。
そんなことを考えてみた。
【星に願いを】
7月7日。
東京の郊外、小さな町の七夕祭りとやらに、バレー部の集まりで参加させられたらしい彼。
一緒に行きませんかと誘われ、せっかくだからと今は浴衣のセルフ着付け中。
二人きりではないといえど、滅多にない彼からのお誘い。
自然と気合が入った。
いつもはポニーテールにしている髪をお団子にまとめる。
……可愛いとか、言われてみたいな、なんて。
似合っているだろうか、おかしくないだろうか。
鏡の前でくるくる回っては時間を待つ。
時計の針が6時を差す手前、準備を終えたらしい赤葦くんが二階から降りてきた。
紺の浴衣にアクセントの淡い緑色の帯。
それを着こなす赤葦くんの酷く大人びた雰囲気に、思わず息を呑んだ。
目を合わせてお互い瞬きを二、三度。
一瞬開きかけた口に期待をしたが、なんともなかったように、彼は行きましょ、とだけ告げて玄関に向かった。
私たちを取り囲むヒグラシの声。
何を話すでもなく彼の隣を歩く。
(……やっぱり、だめか)
ちょっとだけ背伸びして、慣れない化粧まで頑張ったのにな。
カラン、コロン、と鳴る下駄の音は、小さく吐き出したため息を搔き消した。
坂を登りきったところで鳥居を潜ると、椚の木の下に男子高校生三人を発見。
その中からいつかのミミズクヘッドがひょこっと顔を出して、「おーいA!!あかーしー!!!」とでかい声で呼んでくるから、どうやら彼らは赤葦くんのバレー仲間らしい。
見たことのないトサカの人と、プリンの人もいる。
目が合って軽く頭を下げると、トサカの人は私の顔を覗き込んできた。
黒「初めて見る顔だな。俺、黒尾鉄郎。音駒高校でバレー部の主将やってる。
んでこっちのプリン頭が1コ下の……、っておい研磨、ゲームやめて名前くらい名乗れ」
孤「......孤爪、研磨...」
言われて初めてゲームから顔を上げた孤爪くん。
男子にしては小柄な身体に加え、猫背に少し色素の薄い猫のような目……本当に、猫みたい。
『えと、高槻Aです。三年だから、黒尾くんと同い年かな』
よろしくね、と会釈すると、黒尾くんは「えっ何、赤葦お前…彼女いたの」と、驚いた様子で私と赤葦くんの顔を交互に見た。
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もちもち(プロフ) - ラブラドール・レトリバァさん» 東京はアニメの聖地ですよね。 ほんとに幸せでした。 やっぱりそう頻繁に行ける所じゃないので、毎回爆買いになってしまいます。゚(゚^ω^゚)゚。 行くたびに「東京住も。」って思いますよ。 近いうちに行けるといいですね!ご愛読ありがとうございます。 (2017年8月23日 0時) (レス) id: 2c3d1eea9b (このIDを非表示/違反報告)
ラブラドール・レトリバァ - 東京行ったんですね!羨ましいですなぁ…5万は貯めたんですけどね…なかなか行けない(´・ω・`) (2017年8月22日 22時) (レス) id: 6b31ba40ad (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 鯖さん» 本当ですか!?ありがとうございます!! 感動していただけるなんて思ってもみませんでした、、 嬉しいです! (2017年6月11日 1時) (レス) id: 2c3d1eea9b (このIDを非表示/違反報告)
鯖 - 何かとても感動しました! (2017年6月10日 15時) (レス) id: 7852d9062e (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - ラブねこさん» おおー!理解者またも発見!コメントありがとうございます!私は四月からJKデビューです← 東北地方はちょっとアレですね。ハイキューファンを殺しにかかってきてますね。一々叫びたいです( ^o^)<ンンンン!←← (2017年3月30日 14時) (レス) id: 2c3d1eea9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちもち | 作成日時:2016年12月28日 1時