【HQ】フクロウ拾いました。【赤葦京治】

番外編（赤葦の本音Ver.）殿堂入り記念 ページ33

Special side




『京治ー、お風呂でたよ〜』



脱衣所からほくほくした声が届く。


読んでいた本を閉じてそこへ向かう。



赤「…開けますよ？」


『んー』



ガラガラと開いた扉の向こうには、バスタオル一枚でローションを顔にぺちぺち塗っているAがいた。


ガダン！と扉を閉める。



赤「開けますよって言ったじゃないですか」


『…え、返事したよね？』


赤「だからなんで返事するんですか。

服着てないじゃないですか」



別に平気でしょ、とかぶつぶついいながら、なおもぺちぺち何かを塗っている。


早く服を着てほしい。


待たされてるこっちの身にもなって_______、



心の中で文句を垂らしていると、急にドアが開いてさっきと何も変わらないままの姿のAが出て着た。



『ほら、どうしたの。

早く入りなよ』



目のやり場に困る、切実に。


とっさに目を逸らした。



赤「俺今フクロウじゃありませんよ？」


『…見ればわかるけど？』




本当にこの人は……、



今俺が辛いのを我慢してるだなんて考えてもいないんだろう。



大切にしたい。


理性飛ばして傷つけたくはない。


わかってほしい。



そっと目を合わせる。


警戒心なんか微塵も感じられない。



どうしたの？と瞬きをするAに、一瞬今までの苦労なんかどうでもいいと感じたような気がした。

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