１２.５羽 ページ22
『……うそでしょ…？』
「……」
足元に視線を落とせばボテッ、と座った赤葦くん(フクロウ)が、なんとも言えない表情で私を見上げている。
『……これじゃあ今日遊びにいけないじゃん！
はぁ、せっかく楽しみで朝ご飯も力入れたのに…』
フクロウになってしまったものは仕方がない。
今日は静かに読書でもして過ごすか。
『……、
ちょ、赤葦くん？どこ行くの』
窓辺に飛んで、「開けてくれ」と言わんばかりにこちらを振り返る。
今日は外食なのね。
本能的に新鮮なナマモノが食べたくなるらしい。
そう、例のアレだ。
『暗くなる前に帰ってくるんだよ？』
念を押して、そっと窓を開ける。
赤葦フクロウは大きく羽根を広げて伸ばした後、飛び立っていった。
風圧に掬われた髪を耳にかけ、羽ばたいていく彼の姿を眺める。
やっぱりフクロウなんだなぁ、なんて、今更当たり前のことを思った。
辺りに紅茶のほのかな香りが漂う窓際。
優しい日光の差込むそこで、小さな文字の羅列を目で追う。
静かな時間はゆるりゆるりと過ぎていく。
赤葦くんがいない休日は、あまりにも長く感じた。
視界が全体的に暗くなり、ぽかぽかしていた背中がすーっと冷えて、物語から現実に引き戻される。
『(……ん、あれ、そういえば…)』
今朝のニュース番組でやっていた天気予報をふと思い出す。
脳裏にぼんやりと映し出される、地図上の日本列島を徐々に覆っていく雨雲。
『……赤葦くん、大丈夫かな…』
窓越しの空を見上げる。
さっきまで顔を出していた太陽は重たそうな色の雲に遮られ、鮮やかだった街は灰色に染まった。
予報が予感に確信をもたせる。
程なくして、ぽつりぽつりと、灰色の雫がベランダを濡らし始めた。
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もちもち(プロフ) - ラブラドール・レトリバァさん» 東京はアニメの聖地ですよね。 ほんとに幸せでした。 やっぱりそう頻繁に行ける所じゃないので、毎回爆買いになってしまいます｡ﾟ(ﾟ＾ω＾ﾟ)ﾟ｡ 行くたびに「東京住も。」って思いますよ。 近いうちに行けるといいですね！ご愛読ありがとうございます。 (2017年8月23日 0時) (
レス) id: 2c3d1eea9b (このIDを非表示/違反報告)
ラブラドール・レトリバァ - 東京行ったんですね！羨ましいですなぁ…5万は貯めたんですけどね…なかなか行けない(´・ω・｀) (2017年8月22日 22時) (レス) id: 6b31ba40ad (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 鯖さん» 本当ですか！？ありがとうございます！！ 感動していただけるなんて思ってもみませんでした、、 嬉しいです！ (2017年6月11日 1時) (レス) id: 2c3d1eea9b (このIDを非表示/違反報告)
鯖 - 何かとても感動しました！ (2017年6月10日 15時) (レス) id: 7852d9062e (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - ラブねこさん» おおー！理解者またも発見！コメントありがとうございます！私は四月からJKデビューです← 東北地方はちょっとアレですね。ハイキューファンを殺しにかかってきてますね。一々叫びたいです( ^o^)＜ンンンン！←← (2017年3月30日 14時) (レス) id: 2c3d1eea9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2016年12月28日 1時
