12羽 ページ21
________日曜日。
カーテンの隙間から溢れる朝日に半ば強制的に起こされる。
『……んー、、』
思い瞼をこじ開けて右隣を見れば、赤葦くんはまだ静かに寝息を立てている。
今日は久しぶりに二人で何処かに出かけたい気分だ。
学校も違うから、一緒に過ごす時間があまり無いこともあって、少し寂しかったりする。
ベッドから降りて、冷水で顔を引き締め、馴染みのエプロンに腕を通す。
せっかくの休みだし、彼の大好物を作ってあげよう。
冷蔵庫の定位置から菜の花を取り出す。
鮭の切り身を焼きながら味噌汁に味噌を溶いている頃、目が覚めたらしい赤葦くんがキッチンに来た。
赤「…何か手伝いましょうか?」
目をこすりながら大きな欠伸を一つ。
『あ、おはよう赤葦くん。
いいの。待ってて、もうすぐ出来るから』
そうですか、とリビングに向かった赤葦くん。
頃合いを見て火を止め、盛り付けた和食をトレーに乗せる。
『じゃーん!今日は和食にしてみたの。どうかな』
お皿に乗ったからし和えに目を輝かせる赤葦くん。
こういうところは、単純でかわいい。
年上の余裕を見せられる唯一の時だ。
赤「…何見てるんですか、早く食べましょう?」
喜んでもらえたのが嬉しくて、ついつい彼の表情を見つめていた。
我に返った後も、自然と頰が緩む。
朝食を済ませ食器洗いをしている間、隣で食器を拭いてくれている赤葦くんに声をかけた。
『赤葦くん、今日何処か遊びに行かない?』
「いいですよ。
…どうしたんですか急に」
『えー、なんだろな。
二人で出かけられる時ってあんまり無いからさ。
たまにはいいかなー、なんて』
手元に視線を戻したと同時に、突如響いた食器の音。
『っ、え…?』
ぼん、と形容しがたい音がして、ほんの一秒前まで隣にいた赤葦くんが、消えた。
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もちもち(プロフ) - ラブラドール・レトリバァさん» 東京はアニメの聖地ですよね。 ほんとに幸せでした。 やっぱりそう頻繁に行ける所じゃないので、毎回爆買いになってしまいます。゚(゚^ω^゚)゚。 行くたびに「東京住も。」って思いますよ。 近いうちに行けるといいですね!ご愛読ありがとうございます。 (2017年8月23日 0時) (レス) id: 2c3d1eea9b (このIDを非表示/違反報告)
ラブラドール・レトリバァ - 東京行ったんですね!羨ましいですなぁ…5万は貯めたんですけどね…なかなか行けない(´・ω・`) (2017年8月22日 22時) (レス) id: 6b31ba40ad (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 鯖さん» 本当ですか!?ありがとうございます!! 感動していただけるなんて思ってもみませんでした、、 嬉しいです! (2017年6月11日 1時) (レス) id: 2c3d1eea9b (このIDを非表示/違反報告)
鯖 - 何かとても感動しました! (2017年6月10日 15時) (レス) id: 7852d9062e (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - ラブねこさん» おおー!理解者またも発見!コメントありがとうございます!私は四月からJKデビューです← 東北地方はちょっとアレですね。ハイキューファンを殺しにかかってきてますね。一々叫びたいです( ^o^)<ンンンン!←← (2017年3月30日 14時) (レス) id: 2c3d1eea9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちもち | 作成日時:2016年12月28日 1時