8.5羽 ページ12
赤「ここに置いておくので、よかったら飲んでください」
『うん、ありがと』
コト、とテーブルに置かれたマグカップを手に取る。
冷えた手にちょうどいい熱が伝わる。
しかし飲もうにも目の前の黒い液体が物凄い苦いオーラを出しているから、これ以上口元に近づけられない。
だって既に香りが苦い!
胸の前でマグカップを両手で持ったまま静止していると、目の前のテーブルに何かが置かれた。
『?………っ‼ 』
なんと目の前に置かれたそれは大量のミルクとシロップだった。
『………』
赤葦くんを見ると、何事も無かったかのようにまた読書をしていた。
〜〜〜〜〜〜ッ!!!!
出木杉くんかよ赤葦くんはよォォ!!
んんんもう!!
君のそういうとこホンット好き!!
大方私がコーヒーを飲めないのを見通して、ポケットにでもあらかじめ入れてきてくれていたんだろう。
顔に出来るだけ出さないように心の中でひとり感動に浸っていると、赤葦くんが私の方を見て口を開いた。
赤「どうしたんですか、顔が緩みきってますよ」
どうやら顔に出てしまっていたらしい。
湯気で白く曇ったメガネをかけた顔を向けてくる赤葦くん。
今度はかわいいな。
『なんでもない。
赤葦くんはきっと良いお嫁さんを貰えるだろうなーって思っただけ』
「……そう、ですか」
俯いて再び本に視線を戻す。
私はというと、もう顔が緩んでたっていいやと思えるくらいに感動を噛み締めながらミルクをプチっと開けて黒い液体に注いだ。
程よい苦味の中に、白いやさしさが垣間見えた。
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もちもち(プロフ) - ラブラドール・レトリバァさん» 東京はアニメの聖地ですよね。 ほんとに幸せでした。 やっぱりそう頻繁に行ける所じゃないので、毎回爆買いになってしまいます。゚(゚^ω^゚)゚。 行くたびに「東京住も。」って思いますよ。 近いうちに行けるといいですね!ご愛読ありがとうございます。 (2017年8月23日 0時) (レス) id: 2c3d1eea9b (このIDを非表示/違反報告)
ラブラドール・レトリバァ - 東京行ったんですね!羨ましいですなぁ…5万は貯めたんですけどね…なかなか行けない(´・ω・`) (2017年8月22日 22時) (レス) id: 6b31ba40ad (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 鯖さん» 本当ですか!?ありがとうございます!! 感動していただけるなんて思ってもみませんでした、、 嬉しいです! (2017年6月11日 1時) (レス) id: 2c3d1eea9b (このIDを非表示/違反報告)
鯖 - 何かとても感動しました! (2017年6月10日 15時) (レス) id: 7852d9062e (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - ラブねこさん» おおー!理解者またも発見!コメントありがとうございます!私は四月からJKデビューです← 東北地方はちょっとアレですね。ハイキューファンを殺しにかかってきてますね。一々叫びたいです( ^o^)<ンンンン!←← (2017年3月30日 14時) (レス) id: 2c3d1eea9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちもち | 作成日時:2016年12月28日 1時