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恐怖と不安 ページ28

夕飯を作ってる最中にスマホから鳴り響いた強い揺れが来ると知らせるアラーム。慌てて火を止めナイトを呼びテーブルの下へ隠れるとすぐにグラグラと揺れ始めた
少し高い階に位置するこの家は揺れが大きく感じられ、本当に怖いと人は悲鳴すら出ないんだなと頭の片隅で思いながらナイトにしがみついた
パッと照明が消えガシャンとかパリーンっと色々と何かが割れる音が聞こえ、スマホのライトを頼りに見渡すと翔の写真を入れた写真立てとその隣にあった花瓶が落ちて割れた。揺れが収まり立ち上がろうとしても恐怖心から手足が震え腰も抜けて、テーブルの下から出ることも出来ない
『やだ…こわ、』
握り締めてたスマホで翔君無事を確認しようと電話を掛けると、すぐ近くで音が聞こえ首を動かし確認するとチェストの上で光ってるのが見えTwitterで呟く。ネットのニュースより情報を集めるなら、断然Twitterの方が早い。数分で仕事仲間から返信が来て、それが彼だってすぐにわかった。なんの変哲もないただのデジタル文字。それでも何故か彼だって確信があって安堵した。良かった…彼は大丈夫。まだ同棲を公表してないから、“すぐ行くから、待ってて”は多分すぐ帰るからってこと。停電はこのマンションだけなのかTwitterで情報を調べるとどうやら都内の色んなところで停電してるらしい…電車も止まってるみたい
ポコンっとLINEの通知が鳴って、宗悟からのメッセージ

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宗悟:うえこ、大丈夫か?電車止まっててタクシーも長蛇の列だからすぐ動けないって野上凹んでる
うえこ:どこ駅?
宗悟:×〇駅
うえこ:破片片付けたら迎え行く
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震える手足を叱咤してテーブルの下から這い出てスマホのライトで照らすと花瓶と写真立ての他、食器がいくつか割れていて。窓の外を見ると辺り真っ暗。自分を勇気付ける為に料理中に流してた翔君のキャラソンを再度流しながら大きい破片を手で拾っていると照明にしてたスマホが鳴った。LINEのメッセージじゃなくて着信の音。画面を見れば宗悟からで
『もしもし』
〈Aちゃん?俺〉
『しょうくん』
〈そっち停電してる?〉
『うん、まっくら』
〈暗い中片付けたら手、怪我するよ〉
『すまほ、らいとに、してる』
〈帰ったら一緒に片付けるから、無理しないでね〉
『だいじょうぶ。こえ、きけたから、あんしんした。ごめん。もうしこし、まっててね』

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作者名:福招猫 | 作成日時:2021年9月20日 23時

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